2010年08月30日

 

吉川晃司の平和ソング!?

 先日の『24時間テレビ』をご覧になった人はご存じだろう。吉川が広島の母校の生徒のために平和ソングを作った。ちょうど本番組の収録時はその曲作りを終えたばかりで「大変な作業だった(苦笑)」ともらしていた。

「子どものための曲って難しいよね。一回作ったらメンバーたちから“吉川っぽくない”って言われてさ。“もっともらしいんだけど、吉川がいいヤツに見えちゃう”だって(笑)。俺らしくないって。じゃあ、今度は俺らしく作ればいいのかって作れば、アレンジャーから“これは難しすぎて子どもには歌えない”ってダメ出し(笑)。どうしてもトリッキーなタイミングにしちゃうクセがあるんだよなぁ」

 広島県で、子どもたち主催で開催している『夢配達人プロジェクト』。夢を募集し、選ばれた生徒たちの夢の実現に県が協力するというもの。今回は吉川の母校の生徒たちが「原爆の悲惨な実態を伝える歌を作り、歌うことで語り継ぎたい」という夢を出し、その作曲者は、同校出身者の吉川晃司にお願いしたいとなった次第。

「依頼曲って、すごく大変なんだけど分かることが多いんだ。自分にどんなクセがあるのか、どういう部分が足りないのか。指摘されて分かることがたくさんある。自分らしい部分を生かしつつ、子どもたちにも歌いやすいように…自分の中で自然に置き換えていく作業だったかな」

 こうして改めて吉川から音楽の話を聞くと、彼が求めている方向性も見えてくる気がする。本番組コーナー「RESPECT」で紹介するミュージシャンの数々からも分かる。今回は趣旨をちょっと変えて冒頭の子どもたちへの楽曲提供のために調べている最中にたまたま見つけて「耳が止まった」というゴダイゴもそうだ。「ジノ・ヴァレリのようなスーパーフュージョンプログレのバカテク集団に近いところにある」。リズム隊には外国人のメンバー。打ち込みのない時代に、あそこまでのテク。「モンキー・マジックのライブバージョンが分かりやすいかと思って」吉川自ら音源を持参した。

「結局、シンプルでありながら、普遍性が高いもの。美的感覚が近いものがいいって思う。コードって下手なガキのころってド多用しちゃうんだけど、少し分かってくると“バカだったな”って分かる。突き詰めるとシンプルになっていくんだよ。平和ソングを作るからジョン・レノンの『イマジン』を聞きなおしたけどやっぱりスゴイって思ったもんね」

 吉川晃司の音楽の“源泉”に近づける気がしてくる。これからも本番組でその深淵に近づいていきたい。