今回のリオデジャネイロ・オリンピックで日本勢は、開会式前に行われたサッカー男子のグループリーグで日本がナイジェリアに敗れてスタート。ナイジェリアは飛行機のチケットの手配などでアクシデントが発生するなどして現地入りが試合当日という悪コンディション。「日本は勝てるのでは…」という期待があったなかでの4−5という敗戦だった。
そんな嫌なムードを吹き飛ばしたのが前半の柔道、水泳、そして体操だ。
柔道は前回のロンドン五輪では、男子は史上初の金メダル0。男女合計でも金1、銀3、銅3に終わり、大会後に篠原信一監督が責任を取って辞任した。
しかし今回は柔道の初日である5日(日本時間6日)の男子60キロ級の高藤直寿、女子48キロ級の近藤亜美が揃って銅メダルでスタート。8日(同9日)には男子73キロ級で大野将平が今大会の柔道勢初となる金メダルを獲得すると、男子90キロ級のベイカー茉秋、女子70キロ級の田知本遥と金メダルを積み上げ、最終的には男子が7階級制になった1988年ソウル五輪以降で史上初となる全階級でのメダル獲得(金2個、銀1個、銅4個)を達成。女子も総数5個で前回ロンドン大会を2個上回った。
水泳は6日(同7日)の水泳初日に男子400m個人メドレーで萩野公介が金、瀬戸大也が銅と表彰台に日本人2人が乗って勢いをつけた。9日(同10日)には男子4×200mリレーで日本チームが52年ぶりの銅メダル、11日(同12日)には金藤理絵が女子200m平泳ぎで金メダルと、金2、銀2、銅3の合計7個のメダルを獲得した。
体操は3大会ぶりの金メダルを目指した男子団体総合でミスが相次ぎ、まさかの4位での予選通過。決勝は体力的に厳しいローテーションのなかでの戦いが強いられたが、前半のあん馬、つり輪を最小限のミスでとどめると後半盛り返し、最後の床運動で白井健三と内村航平がきっちり締めくくり、合計274.094点。2位のロシアを2.641点押さえ、逆転金メダルとなった。
エース内村は予選の鉄棒でまさかの落下。種目別の決勝に進めないという誤算はあったが、10日に行われた男子個人総合で最終種目の鉄棒で逆転し、史上4人目、日本人では2人目となる男子個人総合2連覇を果たした。