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喜安が今作で選んだテーマは「芸術家になること」ブルドッキングヘッドロック『芸術家入門の件』

2019.05.16 Vol.718

 ナイロン100℃の劇団員であり、脚本家としては映画『桐島、部活やめるってよ』で日本アカデミー賞の優秀脚本賞を受賞するなど多方面で活躍する喜安浩平。その喜安が主宰するブルドッキングヘッドロックが2000年の旗揚げから今回で30回目の本公演を迎える。昨今、ユニットという形の劇団運営が多い中、劇団員が21名という大所帯で、喜安を含め劇団員が外部での活動などで徐々に時間が取れなくなるなか旗揚げ以来ほぼ毎年、作品を発表し続けるのは並大抵の努力ではできない。

 喜安が今作で選んだテーマは「芸術家になること」。

 主人公は創作に迷う鳴かず飛ばずの60代の芸術家。大金とわずかな名声に飛びつきうっかり新しい依頼を受けてしまうのだが製作は一向に進まない。そんな時、街で「芸術家入門」の看板を発見し、ここでもうっかり足を踏み入れてしまうのだが…。

 資格でも称号でもない「芸術家」という肩書の意味を、自ら「芸術家志望」という喜安がブルドッキングヘッドロック流のおかしみをもって問い直す。

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