今週のTOKYO HEADLINE
vol.349
(2008.03/17-03/23)
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TOKYO NEWS vol.349

TOKYO MOVE UP!
「東京から日本を元気に」するプロジェクトをTOKYO HEADLINEがサポート。東京の気になるトピックスをご紹介。
目指すは、米ブロードウェイ、英ウエストエンド! ライブ・エンターテインメントの発信地

akasaka Sacas

 赤坂にライブ・エンターテインメントが戻ってきた。3月20日、更地になっていた旧TBS跡地にできた新しい街「akasaka Sacas(赤坂サカス)」がグランドオープンする。ランドマークである「赤坂Biz(ビズ)タワー」を中心に、ライブハウス「赤坂BLITZ」、劇場「赤坂ACTシアター」、レストラン、ショッピング施設、住居などを擁し、TBS社屋も隣接。ここを中心に、新しい文化の蕾が膨らみ、花を咲かせることは間違いなさそうだ。
 なかでも、ライブハウスとシアターの成す意味は大きい。赤坂という都心にあるだけでなく、地下鉄の駅に直結していることで、仕事を終えた後でも開演時間に間に合にあう会場。それだけにより多くの人が足を運びやすくなる。
「原点に戻ったライブハウスになる」というのは、赤坂BLITZ支配人であるTBSテレビの熊谷信也氏。TBSは、旧赤坂BLITZ、横浜BLITZ、そして新赤坂BLITZと3つのライブハウスを運営してきているが、今回はスタンディングで1418席と最もキャパシティが小さく、ステージと客席が近くなった。また、防音効果も進化。旧BLITZでは低音による振動が隣接していたACTシアターに響くことがあるというような問題があったが、新施設では130デシベルの大音量でプレーしてもまったく影響がなかった。つまりアーティストもオーディエンスも迫力のプレーを楽しめる環境が整ったというわけだ。
 近年、CDセールスは下降気味であるものの、ライブへの動員は右肩上がりだ。それにともなって、ライブで満足させられる実力派に人気も注目も集まる傾向にある。生で音楽を楽しめる、「原点に戻ったライブハウス」である赤坂BLITZは、新しい才能や伝説を生み出していく。

赤坂サカスでは、グランドオープンを記念し、「Sacas Opening Fes」(3月20日〜4月6日)を開催。20日には春のサンクスデーSP「“ありがとう”の花を咲かそう!」として、TBS「朝ズバッ!」から「イブニング・ファイブ」まで、Sacas広場・さくらステージを中心にスペシャル公開生放送。期間中は、敷地内を縦断するSacas坂に日本各地の味を楽しめるフードコートが出現するほか、豪華アーティストによるダンスパフォーマンスやライブなどが行われる。詳細は(http://sacas.net/)で。また、敷地内には、種類も咲く時期も異なる桜の木約100本が植えられており、5月中旬まで桜の花を楽しめるようになっている。桜も咲かす、赤坂サカスなのだ


新作バレエ「ベートーヴェン第九」は、けがでステージを離れていた熊川の復帰作でもある

日本発エンタメで世界へ 赤坂ACTシアター

 赤坂BLITZが音楽を主としている一方で、赤坂ACTシアターは、ミュージカルから演劇、ダンス、そしてコンサートまで、「ジャンルにこだわらず、大人のライブ・エンターテインメントを提供する」(河出洋一支配人)。
 規模の大小を含め、都内にはいくつも劇場が存在しているなかで、同劇場のこだわりは、一級のエンターテインメントの提供を前提に、赤坂から発信すること。そのため、オープニングではオリジナル作品を選んだ。
 20日まで行われているプレミアムオープニング公演は、熊川哲也の新作バレエ「ベートーヴェン 第九」。歴史上のトップヒット曲である「交響曲第9番」を、全4楽章、合唱、独唱つきの生オーケストラ演奏で踊る。2〜3年前から熊川が温めていたアイデアで、地球そのものをコンセプトとし、舞台を張り出してバレエダンサー、オーケストラ、合唱隊など約150人が同じステージの上でパフォーマンスする、壮大なものだ。
 グランドオープニングは、宮本亜門演出による祝祭音楽劇「トゥーランドット」(3月27日〜4月27日)。久石譲が全曲オリジナルで書き下ろした21世紀版で、岸谷五朗、中村獅童、早乙女太一、そして北京オリンピックの開会ソングの最終候補にもなっている歌姫・アーメイが出演する。すでに、中国や韓国から公演のオファーもあるという。
「赤坂から文化を発信することで、東京のライブ・エンターテインメントが活発になり、ニューヨークのブロードウェイ、ロンドンのウエストエンドに匹敵するようになればいいと思う」
 河出支配人は静かに熱く燃えている。

食文化も充実! 老舗・赤坂璃宮も本店移す

 食文化の豊かさも特徴だ。開発にあたり「どうしたら赤坂を大事にしながらやっていけるかを考えた」(株式会社東京放送 赤坂サカス推進部長 來住尚彦氏)という、赤坂サカスは、文化環境や地形の考慮、地元商店街との協力などに加えて、飲食施設でも交流を図った。赤坂の顔ともいえる中華料理の名店「赤坂璃宮」が本店を赤坂サカスに移転。旧店舗より座席数は少なくなったものの、時間ごとに表情を変える赤坂の風景を楽しみながら食事を楽しめるようになった。
 そのほかにも、オフィス棟下の商業施設には、ポルトガル料理やイタリアン、フレンチ、日本など各国料理のレストランやバー、カフェ、デリ、などが軒を連ねている。プレシアターはもちろんのこと、なかには終演後でも食事やドリンクを楽しめる店舗もある。
 環境が整ってこそ文化は生まれる。最高のライブ・エンターテインメントを楽しめて、感動を分かち合える空間も提供する、赤坂サカス。どれほど見事な文化の花を咲かせてくれるのだろうか。

一ツ木通りはさまざまな飲食店が立ち並ぶ繁華街。赤坂サカスの登場で、客足が増えることが見込まれる

Sacasで赤坂の“復権”なるか

 赤坂Sacas(サカス)のオープンは、周辺の商店街にとって脅威であるとともに、高い集客力を持つ“赤坂復権”の起爆剤でもある。赤坂サカスの一足先にオープンすることになったBizタワー(3月6日オープン)内は、飲食店がほとんどとなっているが、これは地元商店街への配慮から選択された方向性だという。また「BLITZやA CTシアターへの来場者によるシャワー効果の期待と、周辺オフィス就労者のための飲食店完備が急務と判断した」(関係者談)ためでもある。つまり、商業施設として完結する方向ではなく、周辺商店街と足並みを揃え、町ぐるみで大掛かりな集客を目指しており、その点、六本木ヒルズが、それ自体で“町”作りを指向したのと好対照を成しているといえる。
 赤坂は、戦後間もないころからミカド、コパカバーナといったナイトクラブが集まり、昭和30年代から50年代にかけて絢爛な文化の醸成地だった。また、高級料亭が散在し良くも悪くも日本の政治文化を育む土壌でもあり続けた。そんな赤坂が、昭和60年代以降六本木や表参道、渋谷などその他の町の隆盛により次第に客足が途絶えていった。今でも飲食店が軒を連ねる赤坂の商店街ではあるが、かつての華やかさ――文化の中心地としての絢爛さは失われて久しい。この赤坂サカスの誕生で、かつての赤坂の姿を取り戻すことができれば、という願いを持つ者は多い。
 そんな声を反映してか、三井不動産では、この赤坂サカス、そして六本木ミッドタウンを結んだ大掛かりな街づくりのプランを検討しているという。「ミッドタウンも六本木のイメージが強いが、住所でいえば赤坂。赤坂サカスとは直線距離で500mしか離れていない。この距離の近さを生かし、赤坂全体を盛り上げていきたい」(同前)。グランドオープンを前にして「先のことはまだこれから」とのことだが、六本木で新国立美術館、サントリー美術館、森美術館を結ぶ“アート・トライアングル”が生まれたように、BLITZ、ACTシアターを起点にした、新たな文化を創出する町の姿が理想の一つにありそうだ。“東京の新たな町”の姿を追うことのできる新スポットとしてこれからも注目していきたい。



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