
vol.357
日中首脳会談「戦略的互恵関係」推進で一致
[東京 ロイター]福田康夫首相と胡錦濤・中国国家主席は7日午前に会談し、両国がアジアと世界の平和と安定、発展のために貢献していく「戦略的互恵関係」を推進していくことなどを柱とする日中共同声明を採択し、発表した。
共同声明では、「日中関係が両国のいずれにとっても最も重要な二国間関係のひとつであり、今や日中両国がアジア太平洋地域および世界の平和、安定、発展に対し大きな影響力を有し、厳粛な責任を負っているとの認識で一致した」とし、双方が「戦略的互恵関係」の新たな局面を絶えず切り開くことを確認。(1)政治的相互信頼の増進、(2)人的・物価的交流の促進・国民の友好感情の増進(3)互恵協力の強化、(4)アジア太平洋への貢献、(5)グローバルな課題への貢献──の5つの柱に沿って、「日中関係を世界の潮流に沿って方向付け、アジア太平洋および世界の良き未来を共に創り上げていくこと」を宣言した。
政治的信頼関係増進では、毎年、両国首脳のどちらか一方が他方の国を訪問する定期的相互訪問を盛り込んだ。国際会議の場も含め首脳会談を頻繁に行い、政府、議会および政党間の交流ならびに戦略的な対話のメカニズムを強化する。
また、共同声明では、世界経済の持続的成長に貢献していくために、エネルギー・環境分野における「重点的協力」や、「貿易、投資、情報通信技術、金融、食品・製品の安全、知的財産権保護、ビジネス環境、農林水産業、交通運輸・観光、水、医療などの幅広い分野での互恵協力を進め、共通利益を拡大していく」などとした。懸案の東シナ海ガス田問題に関しては「ともに努力して、東シナ海を平和
・協力・友好の海とする」とした。
さらに、日中両国がともに21世紀の世界の平和と発展に対し「より大きな責任」を担っているとし、グローバルな課題に一致して取り組む。地球環境問題でも「『気候変動に関する国際連合枠組条約』の枠組のもとで『共通に有しているが差異のある責任および各国の能力』原則に基づき、2013年以降の実効的な気候変動の国際枠組みの構築に積極的に参加する」ことを明記した。
[東京 ロイター]福田首相と胡主席は会談終了後に共同記者会見に臨んだ。
中国のチベット自治区での騒乱問題では、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世側の特使と中国政府の対話が実現し「引き続き双方が接触を行うこと」と「接触が積極的な成果を上げることを望んでいる」と説明。
福田首相は8月の北京オリンピックの成功に向けた協力を約束したほか、開会式出席について「まだ先のこと」としながらも、「前向きに検討する」ことを明らかにした。
両首脳は会見で友好関係を強調。会談では「戦略的互恵関係」の推進を確認し、双方が日中関係にとどまらず、アジア太平洋地域や世界の平和と安定、発展のために貢献していくことで一致した。これらを今後の日中関係の方向性の指針となる「日中共同声明」に盛り込んだ。東シナ海資源開発問題など懸案事項に進展があったことも明らかになったが、最終決着までは至らず早期決着を確認した。
中国の国家主席の来日は1998年11月の江沢民国家主席(当時)以来、約10年ぶり。胡錦濤国家主席の訪日は10日までの5日間で、2003年に同氏が国家主席就任以来、公式訪問としては最長。またチベット騒乱後初めての外国訪問となる。