
vol.361
新銀行東京が最終赤字167億円に 厳しい再建の道
東京都が400億円を追加出資して経営再建中の新銀行東京は2日、2008年3月期決算を発表した。最終損益は不良債権処理損失を計上したことなどから、167億円の赤字となり、累積赤字は1016億円に上った。同行は累積赤字を一掃するため、1016億円を目途に減資の実施も表明。今月末に予定している株主総会で正式決定する方針という。減資が実行されると、都が設立時に出資した1000億円のうち、8割超が消失する。
同行は昨年6月に策定した新中期経営計画に基づき、優良な融資先の開拓を図っているが、既存融資分の焦げ付きが止まらず、129億円の不良債権処理損失を計上した。
ただ、店舗集約や人員削減を進めたため、営業経費は前期比49億円減少。さらに従来の融資拡大路線から転換し、貸出金残高を570億円減の1894億円と減らしたことに伴い、不良債権処理に備えた貸し倒れ引当金の戻り益を計上。その結果、本業のもうけを示す業務純益は20億円の赤字ながらも、前期より186億円改善。最終損益の赤字幅も380億円縮小した。
再建は依然、厳しい状況が続いている。同行は多額の不良債権を抱える原因となった無担保・無保証の融資を減らし、優良顧客の開拓を急いでいるが、大手銀行も中小企業向け融資を強化しており、融資がなかなか伸びないのが実情だ。その一方で、既存融資分の「焦げ付きが止まらない」ことから、今後も不良債権処理損失が雪だるま式に増える可能性もある。
また、5月16日からは金融庁が新銀行発足後初となる立ち入り検査を開始。現在、財務内容の健全性や経営陣の企業統治、法令順守体制などについて厳しく点検している。今回の決算には、金融庁検査の不良債権査定を受けた内容は反映されておらず、現時点で同行の査定が妥当かどうかは定かではない。仮に、金融庁が不良債権処理額の大幅な積み増しを求めれば、新銀行の再建計画が変更を迫られる恐れもある。
(ビジネスアイ)