
vol.362
米産牛肉輸入再開で抗議デモ拡大!!全閣僚が辞意
韓国内閣は10日、米国産牛肉輸入再開への国民的な抗議行動の高まりにより、韓昇洙(ハンスンス)首相はじめ16人の全閣僚が李明博(イ・ミョンバク)大統領に辞意を伝え、発足からわずか3カ月での総辞職となった。
首相官邸スポークスマンは「(李大統領との)今朝の定例会議で、首相が内閣の辞表を提出した」と語った。これより先、地元メディアは、李大統領が、少なくとも3人の閣僚と複数の側近の辞表を受理する見通しだと伝えていた。農水産品相、教育科学技術相、保健福祉相が辞任するとみられ、また外交通商相、企画財政相も交代する可能性があるといわれていた。
李大統領は内閣改造と青瓦台(大統領府)首席秘書官ら最高幹部の人事刷新で政権の求心力回復を図る方針だが、同日夜、牛肉輸入反対デモは拡大、ソウル中心部に約10万人(警察発表)が集結した。ソウル中心部では、子供連れの母親や労組関係者、会社員、学生などあらゆる層がデモに参加。李大統領の辞任を訴えた。
警察は青瓦台へ向かう大通りを貨物用コンテナで封鎖、暴力的な動きには放水車で対応した。
李政権は発足100日余で内閣と青瓦台の大幅な人事刷新が避けられなくなるという異例の事態に直面。支持率は10%台後半まで落ち込み、人心一新で局面の転換ができるかどうかは不透明。きっかけは牛肉輸入再開問題だが、政権発足直後からの人事の失敗やトップダウンの政治手法、後手に回っている国民への説明責任、経済再生への成果への不満などが牛肉輸入問題をきっかけに一気に噴き出している格好。あるデモの参加者は「米国産牛肉輸入問題だけではなく、他の政策についても政府を批判している。一人だけでなく皆とまとまって声を上げれば、大統領も私の言うことに耳を傾けるだろう」と述べた。
牛肉問題で韓国政府は9日、農水次官を団長とした政府代表団を米国に派遣した。韓首相は10日、政府代表団に米国との追加交渉を指示したことを明らかにした。李大統領は7日、ブッシュ米大統領と電話協議。米側に「30カ月以上の牛の肉が韓国に搬入されないよう」要請し、ブッシュ大統領は「必要な措置」を約束した。事実上の再交渉が行われることになった形だが、こうした政府の動きに野党、反対派とも賛同しておらず、あくまできちんとした「再交渉」を求めている。