
vol.362
1〜3月期GDPを上方修正 4〜6月期は原材料高でマイナスに
平成20年1〜3月期の国内総生産(GDP)改定値が11日、内閣府から発表され、物価変動の影響を除いた実質成長率が上方修正された。日本経済の堅調さを示す結果となったが、先行きは明るくない。景気は急減速しており、4〜6月期はマイナス成長になる可能性が高い。日銀が発表した5月の国内企業物価指数は第2次石油ショックの影響が残っていた昭和56年2月以来、約27年ぶりの高い伸びを記録。原油をはじめとする原材料高が景気の大きな重しとなっている。
1〜3月期の実質経済成長率の改定値は前期比1.0%増、年率換算で4.0%増と、速報値(前期比0.8%増、年率換算3.3%増)を上回った。プラス成長は3四半期連続。民間企業の設備投資が速報段階の前期比0.9%減から0.2%増とプラスに転じたことが反映された。
だが、企業の積極姿勢が今後も続く可能性は低い。米国経済の減速が長期化し、新興国頼みの輸出は頭打ち傾向にある。さらに投機資金の流入による原油や資源価格の異常な高騰は、企業の業績悪化に拍車をかけ、成長のエンジンである生産や設備投資にじわじわと影響を与えている。
日銀がこの日公表した5月の国内企業物価指数(速報、平成17年平均=100)はガソリン税の暫定税率が復活した影響もあり、108.7と前年同月比で4.7%も上昇。内訳で見ると、石油・石炭製品が27.8%上昇、小麦粉の値上がりを受けて加工食品も4.8%値上がりした。
急上昇する企業物価指数に対して消費者物価指数の上昇幅は1%前後と小さい。物価上昇に消費者は防衛意識を強めており、「企業が相当部分負担せざるを得ない」(三菱総合研究所の後藤康雄主任研究員)のが実情。最近、米国市場で値上げを発表したトヨタ自動車でも「国内での価格引き上げは相当難しい」という。
内閣府の外郭団体、経済企画協会の調査で、国内エコノミスト37人の予測を平均すると、4〜6月期の実質成長率は年率0.26%減とマイナス成長が見込まれている。企業業績の悪化が賃金の上昇を阻み、消費を減退させ、「負の連鎖」が再び日本経済に襲いかかる懸念は強まるばかりだ。