
vol.374
ショーン・ペン監督も大絶賛。次世代イケメン俳優の注目株!! 『イントゥ・ザ・ワイルド』
エミール・ハーシュ
名優にして、監督としても評価の高いショーン・ペンが、その最新作の主人公に選んだ期待の若手俳優エミール・ハーシュ。大作『スピード・レーサー』の主演も務めた注目株だが、その素顔はとってもフレンドリー!
ショーンとはうまくやってたよ …殴ったりしてないし(笑)
1992年4月。1人の青年がアラスカ山脈の荒野に向かった。青年の名はクリス・マッカンドレス。しかし、彼はアラスカの荒野にうち捨てられたバスの中で、遺体となって発見されることとなる――。
家庭環境も成績も申し分のないエリート青年が、すべてを捨ててアラスカの荒野で息絶えたという実在のエピソードを描いたショーン・ペン監督最新作『イントゥ・ザ・ワイルド』。こだわり派ペンが、主人公クリス役に抜擢したのは、いま注目度上昇中の若手俳優エミール・ハーシュ。これまでにも『ロード・オブ・ドッグタウン』などで自然体の演技を披露してきた彼は、本作ではより深い精神性を体現し、大きな評価を得ている注目株なのだ。
「今回日本に来て、真田さん(真田広之。『スピード・レーサー』で共演した)と一緒に食事をしたんだ。最高のレストランに連れて行ってもらって、最高においしい料理を食べたよ。真田さんは本当にいい人で、大好き」と屈託なく笑う姿は23歳の青年らしいが、今回挑んだのは“エリート人生”を捨てて荒野へ向かった青年の内面を演じなければいけない、難役。
「でも一番大変だったのはやっぱりフィジカルなことかな。減量もしなくちゃいけなかったし、いろんなところをよじ登ったり、カヤックで川を下ったりもしなくちゃいけなかったから。でも逆に、一番楽しかったのもそういうことだったよ。いろんなことをやって達成感もあったし、他のキャストとの出会いも。なにより、こんな壮大な大自然のなかに自分がいるという感じが、魔法のような感覚を感じたね」
実は本人も旅好きだという。
「そう、僕も冒険が大好きなんだ。だから彼の旅や冒険への欲求というのは、とてもよく理解できる。会いたい人もやりたいこともあるから、僕はちゃんと街に戻ってくるけどね(笑)。ついこの間もコンゴに行ってきたんだ。あるチャリティー団体が現地でどんな活動をしているかというのを、1週間ほどあちこち見て回った。本当にへんぴなところにも行ったんだよ」
そんなエミールにとってのヒーロー像が、本作のメガホンをとったショーン・ペンその人だ。
「彼の才能や、どんな映画に参加するかを選ぶ能力、全力投球をする情熱…とにかく彼の全部が僕にとってのヒーロー像なんだ。撮影現場では、僕と監督はとてもうまくやってたよ…殴ったことなんかないしね(笑)」
エミール同様、監督がこだわりを持って選んだ役者たちが参加している。
「一番印象に残った共演者? うーん、やっぱりクリステン・スチュワートは本当にゴージャスな女の子だったから、彼女との撮影は楽しみだったよ。うん、エキサイティングだった(笑)。でもやっぱり一番印象的だったのはハル・ホルブルックかな。その理由はクリステンとは全然違うけど(笑)。神々しいような役者で、一緒に演じることができたのはとても光栄だと思ってる。彼にとって初めてのアカデミー賞ノミネーションを受けた作品を僕が一緒に演じたというのは、とても光栄なことだ。ノミネーションを知ったとき、すぐに電話して祝福をしたよ。ノミネートを受けたのは彼だけど、彼が出たシーンには全部僕も出てるから、そういう意味でもうれしいね(笑)」
そもそもエミールが役者になった理由を尋ねると…
「楽しいし、将来的にもいろいろ勉強できるし…女の子にもモテるからね(笑)。6歳のときにそう思ったよ(笑)」
エミールはとてもオープンだと告げると突然立ち上がってズボンのベルトに手をかけて…
「なんてウソ(笑)。僕もそこまでオープンじゃないよ。1度何かを言い出すと全部語らないといけないから、難しいよね」。今後もアン・リー監督作品など、注目作への出演が決まっているだけに、大きな期待が寄せられるが、このフレンドリーさはなくしてほしくないもの。自分では「素晴らしい役者…ウソウソ(笑)。今、成長過程にある役者だと思ってる。まだまだこれから、いろいろなことを吸収していきたいと思う」と語る彼を見ていると、将来の可能性はどこまでも広がりそうだ。
(本紙・秋吉布由子)