
vol.376
擬音マジシャン・宮川大輔が語る“すべらない理由”
擬音や動き、そして下ネタ。
それが自分をあげていく
スイッチなんです
間違いなく笑える、安心ブランドとして定着している「人志松本のすべらない話」。この番組の名前を広く知らしめたのは、2007年の6月、ゴールデンタイムに放送されたスペシャル番組だ。その模様がDVD化され、24日に発売。「すべらんなぁ〜」の声が全国のお茶の間にこだまする。
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この日も持参していた、トレードマークの大学ノートには、面白かったエピソードが個条書きで書いてある 撮影・加藤大毅
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何度聞いてもおもしろい、何度聞いても笑いが起こる―。「人志松本のすべらない話」は、サイコロを振り、選りすぐりの芸人たちが絶対にすべらない話を披露する“だけ”のシンプルな番組だ。
「いつでも緊張してますよ」というのは、擬音を駆使したトークで笑いを巻き起こし、“擬音マジシャン”と呼ばれる宮川大輔。松本人志、千原ジュニアとともに、第1回からすべての回に出演し、数々のすべらない話を披露している彼は、この番組が生まれるきっかけを作った人物でもある。
「松本さんに食事誘っていただいたときがあって、そこに来る途中の話をしたんですよ。そしたら、それは面白いけれど、普通はそういう話はしないだろうとか、したとしてもそんなに自信満々に話せないよ、っていう話になってたんですよ。その場にはジュニアさんもいて、決して僕がきっかけっていうわけではないんですけど、そういった話をやれるところがあるといいよねって、番組になったんですよね」
2004年にスタートしてから今年6月に放送されたゴールデンスペシャル第3弾まで、これまでに14回を放送。回を重ねるほどにファンを増やし、最初こそ深夜の実験的な放送枠で始まったが、今では1、2の人気を争うお笑い番組に成長した。著名人もファンであることを公言し、人気は留まるところをしらない。それに比例して、語り手の気持ちも変わってきている。
「僕自身に関して言えば、結局は自分なんだって思うようになったことですね。最初のころっていうのは、例えば、人が腹立つ話をしたら自分も腹立つ話をしよう!って感じで話題をチョイスしていたんですが、今はもっと自分主体になってます。もちろん、他の人が振った話題に合わせるようなアプローチでもできると思うんですけど、話し出しても、他の話に似てるって思ってしまったり、どんなにおもしろくても自分では最後までいききれなかったりするんじゃないか、面白みがふわふわふわってなるような感じというか。だから自信をもって話せるっていうのは、自分の味があるものになっていくんです。で、自分ってなんだろうって考えると、擬音とか動きであったりとか、下ネタ。それが自分をあげていくためのスイッチになって、つかんで、積み重ねて、最終的になんじゃその話!ってなる。そうしたほうが『すべらない話』になると思うんですよ」
大きな番組に成長した『すべらない話』は、すべっちゃいけないという緊張感もある。宮川も、プレッシャーだったり、そうした環境のなかで爆笑を取る高揚感を味わいながら、名トークを残してきた。テレビの向こう側は言うまでもなく、まず共にテーブルを囲む先輩や後輩の芸人たちを笑わせたい。そのために、収録に当たり毎回10個程度のネタを用意していく。
「練習、してますよ。基本的にお風呂とか(笑)。そこで作ってから誰かに話してみます。こういう話って、怖さがあって要らない部分も全部話してしまいがちなんで、人に話してそういった部分を省いていくんです…その一方であんまり人に話したくないっていう矛盾した気持ちもあるんですよね。初めて聞かせた話で笑わせたい!っていうね。だから今は、松本(人志)さんといても、すべらない話で話そうっていう話はできるだけしゃべらないでおこうって思ったりする。『すべらない話』は何度聞いてもおもしろいっていうコンセプトではあるんですけど、なかなか難しいですねぇ」
出演する芸人すべてがきっと同じような難しさを感じているはずだ。その上でできあがっているからこそ、この番組が絶対ハズレない笑いのブランドとして確立されているのだろう。
「僕が思うことでもないんですけど…」と前置きして、宮川は続ける。「自分でも『すべらない話』はおもしろいなって思うんです。最初からいさせてもらってるっていうのもあるし、『すべらない話』を守らなければならんっていう気持ちもありますね。そのためにも、できるだけ僕しかできない話、なんやねんその話!ってのをしていきたいと思います。その上で、1回はMVS
(Most Valuable すべらない話)を獲りたい。……でも、今のところ獲れそうなのはない……ですね(笑)」
ぺらぺらとノートのページを繰りながら、宮川は、ちょっとだけ真剣な表情を見せた。
(本紙・酒井紫野)
| 人志松本のすべらない話 ―すべらない面々 |
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3カ月に1回(1クールに1回)のペースで放送されている『人志松本のすべらない話』シリーズ。すでに第14弾まで放送されていて、毎回、珠玉の“すべらない話”やヒーローが生まれている。番組の1つのターニングポイントとなった第10弾『人志松本のすべらない話 ザ・ゴールデン』の出演者を中心に、番組を作りあげている主要な話し手とその特徴を紹介する。 |
松本人志(ダウンタウン)
キング・オブ・すべらない
番組ではテーブルのセンターに位置し、話をする人を決めるサイコロを振る。話がすべらないのはもちろんだが、実は話し手へのリアクションが誰よりも優しかったりするのにも注目だ!
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千原ジュニア(千原兄弟)
話芸のスペシャリスト
松本のアシスタント的な役割で『〜ザ・ゴールデン』では出場者紹介も行う。松本や木村祐一といった先輩、兄・せいじなどについて話す傾向が強い。テーブルをバンバン叩き盛り上げる。
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宮川大輔
擬音マジシャン
天然素材のころの話、ちょっとアブノーマルな性体験!?だったり、ちょっと放送するのにギリギリ、出演者にさえ「ここでそういう話をするか」と突っ込まれたりする話題が“彼の味”。
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ほっしゃん。
お笑いファンタジスタ
生活に直結した「そういうこと、ある〜」と共感を覚える話の一方で、ありえないほどよくできたものまで幅広く語る。『〜ザ・ゴールデン』ではその2つの顔を余すところなく見せた。
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河本準一(次長課長)
家族話の達人
家族にまつわる数々の話や犬のタロ吉など多数の名作を発表しているが、『〜ザ・ゴールデン』のオンエア部分では得意分野を封印。ありふれたおじさんの姿を哀愁たっぷりに語っている。
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ケンドー・コバヤシ
バリトンボイスの異端児
独特の観察力に基づいたすべらない話で爆笑を誘うコバヤシ。よく響く低音ボイスで、ぜい肉1つない余計なものがそぎ落とされたミニマムなトークで観客どころか話し手たちを魅了する。
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小薮千豊
吉本新喜劇最年少座長
身内の大先輩にも毒舌を交えて語る大胆な語りが特徴。『〜ザ・ゴールデン』が初出場だったが、今では準レギュラーとなり、今年6月のゴールデンタイム第3弾ではMVSを獲得した。
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木村祐一
激怒マイスター
「考えられへん!」のフレーズで、日ごろの怒りを笑いに変換する。『〜ザ・ゴールデン』が初出場となった。とにかく長く、その落ちは落語にも通づる「車屋さんのキクチ」の話でMVSを獲得。
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黒田有(メッセンジャー)
アンチセレブ芸人
ビンボー話で多くの支持を集める。『〜ザ・ゴールデン』では、母親に高級デパートに連れて行ってもらったときに起きた衝撃的な出来事を淡々と語り、会場を和ませた。
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Release information
『人志松本のすべらない話 ザ・ゴールデン』ついにDVD化
大御所俳優を怯えさせたストーリーなど未公開映像20話収録
『人志松本のすべらない話 ザ・ゴールデン』
フジテレビ映像企画部/よしもとアール・アンド・シー
9月24日(水)発売 4500円(税込)※初回限定盤はブックレット仕様
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すでに累計でトータル180万枚を突破したDVD「人志松本のすべらない話」シリーズ。最新作で第5弾、200万枚突破確実となる本作は、初めてゴールデンタイムに進出した「人志松本のすべらない話 ザ・ゴールデン」と、同番組の未公開20話を収録した豪華盤だ。
「ゴールデンでやれるのはうれしいんですけど、僕には難しさを感じる場所でもあります。固有名詞を出したほうがテンポが良かったり、リアリティーが出せるんですけど、それができなくて調子が出ないっていうこともあったりするので。もちろんそうした制約のなかで、自分らしさを出すのもまた挑戦なんですけどね」(宮川大輔)
DISC-1には、MVS受賞作で、運命の車を手に入れるまでの“考えられない”ハプニングをリアルかつ人情深く語る「車屋さんのキクチ」(木村祐一)を始め、「あんだけ熱く、あの勢いで話されて…」と、宮川大輔が話す松本人志が身を削って話したマンション駐車場での出来事など、オンエアされた部分を収録。DISC-2には、過激すぎて放送できなかった「リクガメ」(東野幸治)、宮川の「皮膚科にて」も収録されている。
また、『すべらない話』をさらにおもしろくさせる「ためになる話」などもついてくる。
出演は、松本人志、千原ジュニア(千原兄弟)、宮川大輔、ほっしゃん。、河本準一(次長課長)、ケンドーコバヤシ、関根勤、木村祐一、東野幸治、宮迫博之(雨上がり決死隊)、大竹一樹(さまぁ〜ず)、黒田有(メッセンジャー)、小籔千豊、小杉竜一(ブラックマヨネーズ)、後藤輝基(フットボールアワー)。