今週のTOKYO HEADLINE
vol.376
(2008.09/22-09/28)
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Sports vol.376

Moto GP 日本グランプリ開催直前インタビュー

サムライ 中野真矢の挑戦

世界でたった20人しか走ることを許されないMoto GP。バイクレースの最高峰が、今週末、ツインリンクもてぎで開催される。そのトップカテゴリーで走るたった一人の日本人が中野真矢だ。今週末、我々はサーキットにサムライの姿を見ることになる。

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取材協力:オフィチーナ ディ エンリコ(表参道 TEL:03-3401-7262 【URL】www.officinadienrico.co.jp
 ヨーロッパでは一番有名な日本人の1人に違いない。世界でたった20人しか走ることを許されないバイクレースの最高峰・Moto GPを走る孤独なサムライ・中野真矢。今季14戦までを終え、87ポイントでランキング9位につけ地元・ツインリンクもてぎへと帰ってくる。

「もてぎは僕にとっても青春の思い出が詰まった場所。もてぎでのMoto GPの開催も今年で10年目ですから記念すべきレースです」

 125ccから250cc、全日本から世界選手権、Moto GPへとステップアップを重ね、世界を主戦場にして10年目を迎える天才ライダーが中野だ。

「Moto GPの20人のうちの9位だからすごい、と言ってくれる人はいますけど、僕自身全然物足りない。もっと上を目指して、一戦一戦を戦っていきますよ」

 今年は有力プライベーターチームの「サン・カルロ・ホンダ・グレシーニ」でヘルメットをかぶる。虎視眈々とランキング上位を目指し世界を転戦し、6戦目のムジェロ(イタリア)から「セッティングも合ってきて調子が上がって」きて、第12戦ブルノ(チェコ)では今季最上位の4位をマーク。かつてMoto GPクラスで日本人は活躍できないとされたものだが、中野は力強い走りを見せ続けている。

「僕も初めて行った年は苦労しましたよ。言葉が不自由でコミュニケーションが取れないのがつらい。セッティングこそ、“硬い”“柔らかい”というような言葉でできても、スタッフに溶け込んで楽しむことができなくちゃね。外国人トップライダーの精神的タフさに勝つには、リラックスしたり楽しむことが大事だと思うんです。トップライダーたちも切り替えが上手で、締めるところは締めるけどリラックスもうまくやってますから」

 超えられない壁といわれたMoto GPで走り続けるために必要なのは「体力と語学力。とにかく溶け込むこと」と言葉を重ねる。「なんで小・中学校の夏休みに借金をしてでも海外へ行かなかったかと後悔してます(笑)」。溶け込むこととは、選ばれたトップライダーが集うMoto GPの中で戦い続ける自分自身の強さを信じ、受け入れていくということでもあるのかもしれない。「そうですね。僕は雰囲気にのまれやすい性質なので(笑)。負けないと思える気持ちが大切です」。

 そんな孤独なサムライが、今週末にもてぎに登場する。13、14戦で調子を落としたものの、ホームグラウンドともいえる今回のもてぎでのレースに、本人も気合が入っている様子。

「海外に出ている分、日本で走ると気分もすごく上がりますね。コースの横で日の丸が振られているのを横目に見ると、すっごい興奮しますし、みんなの期待に答えたいっていう気持ちが強くなる」

 もてぎは「世界のトップライダーでも難しいと言う」ほどのコース。

「ストップ&ゴーが難しいんです。リズムを崩すと全然ダメ。バンク(路面の傾斜)がなくて、攻めどころがない分、ブレーキングや、アクセルを速く踏み込むという基本をどこまでできるかがポイントです。ごまかしが利かないサーキットなんです」

 そんなもてぎ、見所はどこ?

「ダウンヒルストレートでは時速300kmくらいになって、出口は90度コーナー。ここのブレーキングが勝負どころですね。僕自身としては、プラクティスを何回も重ねて少しずつ調子を上げていくところから見てほしい。日本で走るチャンスは1年に1回きり。僕も見せたいもの、伝えたいことがあるから走っているわけで、それを少しでも伝えたい」

 今週末、1年に1度のMoto GPの爆音がもてぎに響き渡る。それは世界を相手に戦い続ける中野真矢の走りを生で見る貴重な機会でもある。彼の走りの向こうに何があるのか――。それはあなた自身の目で確かめてほしい。

なかの・しんや……1977年生まれ。17歳から125ccのレースに参加し、わずか5年でロードレース世界選手権へと戦場を移す。1999年の世界選手権250ccクラス初参加で年間ランキング4位、その年のルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。その2年後の2001年には500ccへとステップアップ(2002年からMoto GPに改称)。今年で250ccから通算10年目を迎えるトップライダー。
中野真矢が「10年の海外生活で受けた文化や刺激を伝えたい」とプロデュースするアパレルブランド「56design」は10月11日に千葉にオープンする。欧州の空気をたっぷり吸った、タウンユースにも使えるライダースウェアは、バイクを知らない人にこそ着てほしいすぐれものだ。詳しくはサイトwww.56-design.comへ p_sports06-1.jpg
p_sports06-2.jpg ニューマシンを駆り、8台をごぼう抜きにして今期最高位の4位をマークしたブルノ(チェコ)でのレース。こんな熱いバトルをぜひ日本でも見せてほしい

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秋吉耕佑 青山博一
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小山知良 渡辺一馬
Moto Gp 期待の日本人選手たち

  トップカテゴリーのMoto GPクラスに、ワイルドカード枠でRizla SUZUKIから秋吉耕佑選手が参加決定。今年の鈴鹿8耐こそ逃したものの、昨年の8耐、今年の鈴鹿1000kmで加賀山選手とともに勝利をおさめたほか、もてぎ、鈴鹿、SUGO、筑波、オートポリスのコースレコードを持つ日本屈指のライダー。中野真矢に並んで、日本人旋風を巻き起こすことができるかどうか。

  また、250ccでは2006年の覇者ながら、昨年はトップ争いから転落、8位に甘んじたKTMの青山博一選手の走りに期待がかかる。今季のポイントランキングでは青山に一歩先んじ7位につけている高橋裕紀選手の走りにも注目したい。また、ワイルドカード枠では高橋巧選手、富沢祥也選手ら5選手が参加する。こちらも見ごたえ十分なレースになることは間違いない。

  125ccクラスでは、現在ポイントランキング19位の小山知良選手、25位の中上貴晶選手のほか、ワイルドカード枠で岩田裕臣選手、波平伊織選手、渡辺一馬選手などイキのいい5人のライダーが参戦。軽快に走り回る125ccの目まぐるしいレース展開に注目。

各種イベントも盛りだくさん
 今年でグランプリ開催10周年のツインリンクもてぎでは、さまざまなイベントが用意されている。バイク初心者にぜひ見てほしいのは、「中野真矢選手と振り返るツインリンクもてぎMoto GP 10th展」などの10th Annive rsaryの企画展。詳しくはツインリンクもてぎのサイトをチェック!(www.mobilityland.co.jp/motogp/
サーキットではPit Live TVを
 レースをもっと楽しみたい人はサーキットで視聴可能な「Pit Live TV」を。現地で無線LANのついたモバイル機器があれば、目の前で展開中のレースの映像、解説などをオンラインで視聴できるというもの。ファンにも初心者にも、レースの楽しみがぐっと広がるサービス、ぜひ利用してみて。 p_sports06-7.png

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Moto GP世界選手権シリーズ第15戦
A-STYLE 日本グランプリ
9月26日(金)〜28日(日)

 1年に1度、世界のトップライダーがしのぎを削りあうMoto GP。テクニカルさでは世界でも有数のこのコースをどう攻略するか。S字からV字、そしてダウンヒルストレートから90°コーナーと続く、緩急目まぐるしいコースは見所もいっぱいだ。世界最高峰の走りを目の当たりにする数少ないチャンス。Moto GPの空気を切り裂く爆音を体感してみてほしい。 チケットについて購入方法、座席・料金の詳細は、モビリティランド ツインリンクもてぎのサイトへ(www.mobilityland.co.jp/motogp/



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