卜部弘嵩が復活のKO勝利【9・18 K-1】

弘嵩(右)は右ストレートでダウンを奪う(撮影・辰根東醐)

弘嵩が復活宣言。そして「早く大雅くんとやらせてください」
「K-1 WORLD GP 2017 JAPAN〜初代ウェルター級王座決定トーナメント〜」(9月18日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナ)のスーパーファイトに出場した、前K-1スーパー・フェザー級王者の卜部弘嵩が山本真弘に2R2分51秒、KO勝ちし長いトンネルから脱出した。

 互いに輝かしい実績がありながら、このところ芳しい成績があげられていない2人のいわばサバイバルマッチの様相を呈していたこの試合。

 ともに持ち前のスピードを生かした展開から、1R終了間際に山本の放った右フックに卜部がカウンターで右ストレートを合わせダウンを奪う。2Rにはかさにかかって攻め込む卜部が右ストレートの連打で1回目のダウンを奪うと、今度はコーナーに詰めヒザの連打で2度目のダウン、さらに立ち上がってきた山本に打ち合いから右フックを決め、このラウンド3度目のダウンを奪い、KO勝ちした。

 卜部は試合後、リング上で「いろいろありましたけど、無事復活しました。これからも期待してください」と復活を宣言。会見では「僕の中で負けを認めてない自分がいるので、早く大雅くんとやらせてくださいって感じです」と大雅との対戦をアピールした。

日菜太(左)の左ミドルがさく裂(撮影・辰根東醐)

日菜太は思わぬ強豪に苦戦もきっちり勝利
 スーパー・ウェルター級王者チンギス・アラゾフとの対戦を目指す日菜太はスペインのセルジオ・サンチェスと対戦し、30-29、30-29、29-28で際どい判定をものにした。

 プレッシャーをかけ距離を詰め、日菜太の得意のミドルキックを封じにかかるサンチェス。日菜太はバッティングで1R開始早々に左目上部をカットしたこともあり苦しい展開が続く。2Rに入り徐々にミドルが当たり始めるが、サンチェスの突進は止まらない。しかし今度はサンチェスがバッティングで額をカット。日菜太が左のロー、ミドル、ハイと多彩な蹴りで追い込むが、サンチェスは動きが鈍りながらも突進は止まらない。サンチェスの左ミドルをキャッチした日菜太はそのまま左ストレートを放ちダウンさせるが、蹴り足をつかんだままの攻撃で無効。逆に警告を受けてしまう。

 しかし3Rになりやっとサンチェスの動きが止まると日菜太はハイキックでよろめかせるなど、的確にポイントを押さえ、際どい判定ながら勝利を収めた。

 試合後、日菜太は「フタを開けたら凄く強かった。そういう選手を最後、攻めることができたのはよかったと思うが、KOできなかったのが課題。過去、トップ10に入る選手だった。倒してこそK-1だと思うので、年内もう1試合やって、来年3月にアラゾフまでたどり着きたい」と話した。

皇治はこの右フックで最初のダウンを奪う(撮影・辰根東醐)

皇治は3ダウン奪うもKOできず…
 大会前の会見やイベントでのトラッシュトークがすっかり定着した感のある皇治が島野浩太朗と対戦し、2度のダウンを奪い判定勝ちした。

“なにわのKOエンペラー”というキャッチフレーズながらK-1参戦後はKO勝ちがないことにぼやく皇治だったが、この日は1Rに飛びヒザからパンチの連打で最初のダウンを奪うと、立ち上がった島野に追撃。左ハイキックからの右フックで2度目のダウンを奪う。2Rも序盤、前に出る島野をさばくと連打から最後は右ストレートでダウンを奪う。

 KO勝ち寸前までこぎつけた皇治だったが、島野は執念で立ち続けると3Rには反撃に転じる。ややスタミナが切れた皇治は結局、島野を倒し切ることはできず、判定に。ジャッジ三者ともに29-25の圧勝ではあったが、皇治には悔いの残る試合となった。

 試合後、皇治は「(島野は)打たれ強い。ゾンビなんかなって。何回も起き上がってきて、もうええやろって思ったんですけどね。タフでした。客も盛り上がりましたけど、ちょっと打ち疲れました。みんながKOエンペラーとか、ハードル高いニックネームつけたから、いきすぎたらバテてしまいました」と振り返り、今後については「ファンの喜ぶカードだったら誰でもいいですけど。3月に“タケポン”(武尊)とやったら、一番盛り上がるやろなって思いますけどね」とまたも武尊の名前を出し対戦をアピールした。