アントニオ猪木「生前葬」で『千の風になって』をフルコーラス歌いきる

司会の生島ヒロシと列席した藤波、ハンセン、藤原(左から)(撮影・蔦野裕)

藤原は般若心経を読経
 元プロレスラーで参議院議員のアントニオ猪木の「生前葬」を中心とした格闘技イベント「INOKI ISM.2~アントニオ猪木『生前葬』~」が10月21日、東京・両国国技館で行われた。

「生前葬」は「カール・ゴッチ杯2017」ら7試合の後に開催。メーンイベント終了後、会場は一時暗転。照明がつくと、リングの中央に白い棺。司会の生島ヒロシの進行で生前葬が執り行われた。

 まずは猪木と縁の深い、スタン・ハンセン、藤波辰爾、藤原喜明がリングイン。

 ハンセンは「素晴らしいライバルで素晴らしいファイター。まさにレジェンド」、藤波は「ビックリです。猪木さんにはずっとお世話になった」などと、それぞれ猪木との思い出を語る。藤原に至っては般若心経を読経。「えっ? 本当に亡くなったんじゃないんですか?」といつもの藤原節。

最後は元気に「ダーッ」を決める(撮影・蔦野裕)

「これから1年、全国を生前葬ツアーで回るというのはどうでしょう?」
 10カウントゴングの後、3人がリングを降りると、猪木の魂と体という設定?の2人の猪木によるやりとりが会場に流れた後に、猪木の歌唱による『千の風になって』がフルコーラス流れた後に猪木が花道に登場。リングインすると「生前葬? 俺もよく分かっていない」と仰天発言。いきなり棺にナックルパートで穴をあけると中から魂と思われる白い球を取り出し、「今、魂が空を飛んでいった」と言って、生前葬の儀式は終わった。

 その後は生前葬をやることになったきっかけなどを話す猪木。「俺も金もないし、これから1年、全国を生前葬ツアーで回るというのはどうでしょう?」とジョークを交えながらも「昔は私1人で日本中、どこでも札止めになった。格闘技界に何とかスターが生まれてくれれば。そして、もう1つは世界平和。今日はインド、パキスタンと、各国から大使が来ている。いろいろ来たい人がいたんですが、こういう時期ですし。何とか日本が、もっと平和になれば」と格闘技界の復興と世界平和へのメッセージを送った。
 その後、「1・2・3…ダーッ!!」を2回決め、生前葬を締めくくった。

ノートンが逆エビ固めで勝利(撮影・蔦野裕)

ノートンがアーツにTKO勝ち
 この日のメーンはスコット・ノートンvsピーター・アーツのプロレスvsK-1のレジェンド対決。ノートンは「負けたら引退」と明言してのリングとなった。

 序盤からアーツがパンチとキックの連打でノートンを追い込むと、ノートンは左ハイキックをかわしてバックを取ると豪快なバックドロップからスリーパーホールドで締めあげ、決まらないとみるやパイルドライバーまで繰り出す。

 しかしアーツはすぐに立ち上がると、またもパンチの連打でノートンから3つのダウンを奪う。しかしセコンドに気を取られているところに背後からラリアットを食らいダウン。最後はノートンがタックルから逆エビ固めを決める。アーツはギブアップしなかったものの、セコンドがタオルを投入して、ノートンのTKO勝ちとなった。

桜井(左)が鈴川に肩固めで勝利(撮影・蔦野裕)

「カール・ゴッチ杯2017」は桜井が優勝
 猪木に縁のあるカール・ゴッチの名を冠したトーナメントは決勝で元DEEPミドル級王者の総合格闘家・桜井隆多が鈴川真一を破り優勝した。

 桜井は1回戦でプロレスラーの“brother”YASHIIをスリーパーで仕留め決勝へ。決勝では組み付きにきた鈴川にカウンターのアッパーを決めると、そのまま突進してきた鈴川をテイクダウンさせると上のポジションをキープ。マウントに移行し、パウンドから肩固めを決めると鈴川はたまらずタップした。