外国人からの違法献金だけでは終わらない前原問題

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 前原誠司外相が在日外国人から違法献金を受けていた問題で6日辞任した。同日夜に外務省で開かれた会見で前原氏は「外相の職にある政治家が外国人から献金を受けていたという事実は重く受け止めなければならない。日本の外交の信頼性を揺るがすことになれば、私の本意ではない」と辞任理由を述べた。

 4日午後の参院予算委員会で、西田昌司氏(自民)が「まえはら誠司後援会連合会」の平成20年の政治資金収支報告書に京都市山科区で焼き肉店を経営する在日韓国人の女性(72)からの5万円の献金が記載されていると指摘。「日本国籍をお持ちなのか」と質問したところ、前原氏は「焼き肉店を経営する在日の方だ。返金して収支報告書を訂正する」と答弁した。

 問題の献金は前原氏が中学生の時に引っ越した団地のそばで焼き肉店を経営している女性からのもの。政治資金収支報告書によると、前原氏の関係政治団体「まえはら誠司後援会連合会」は平成17〜20年の間に計4回、この女性から各5万円の個人献金を受けていた。前原氏によると、報告書が未公表の22年にも5万円の献金を受けたといい、献金受領は入閣後も続いていた。

 金額も25万円と小額で、事情が事情なだけに、この程度で辞任というのは…という意見も出ているが、政治資金規制法では明確に禁じられている以上は仕方がない。小沢一郎元代表の政治とカネの問題については舌鋒鋭かった前原氏だけになおさら辞任は避けられなかった。西田氏の質問に、「全体を調べしっかり対応する」と答えているだけに、閣僚を退いても説明責任からは逃れられない。

 クリーンが売りだった前原氏にとって今回受けたダメージはあまりにも大きい。4日の予算委後の会見で「そういう形で献金を受けていると認識していなかった」と語ったが、献金を受けていた数年間に渡り、一度も報告書に目を通していなかったということなのだろうか。目を通していたらそんなに恩義のある人の名前は見落とさないはず。よもや外国人からの献金が禁止されていることを知らなかったとは考えにくい。

 前原氏は民主党代表時代、平成18年の偽メール事件で、確証がないうちに、「(国会での)明日の議論を楽しみにしていただきたい」と大見えを切り、大恥をかいた過去がある。やはり脇が甘いといわれても仕方がない。

 今回、前原氏にはこれより先に巨額脱税事件で有罪判決を受けた男性の関連企業とのつながりも発覚。パーティー券代として50万円を受領。この男性の関係するグループ企業4社は民主党本部にもパー券代として資金提供、野田佳彦財務相、蓮舫行政刷新担当相も資金提供を受けていたとされており(ともに返還)、今後の成り行き次第では民主党は壊滅的な打撃を受けるかもしれない。