8月の世界陸上に向け福島が初の2冠達成
8月27日に韓国・大邱で開幕する世界選手権の代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権で、女子100メートルの日本記録保持者・福島千里(北海道ハイテクAC)が11日に行われた同種目で11秒39で2年連続3度目の優勝。世界選手権代表の座を獲得した。
女子100メートル決勝は、今季、成長著しい市川が福島をどこまで追いつめるか――が焦点となっていたが、スタートしてものの数秒で白黒がはっきりした。売り出し中の新鋭を寄せ付けなかった福島は「今の段階ではまずまずと思う」。今季自己最高となる11秒39をたたき出し、アジア女王の貫禄を見せつけた。
シーズン初戦から日本記録ラッシュを見せた昨季と違い、今季はまだ一度も日本記録を更新していない。それどころか、100メートル初戦の織田記念は左脚のけいれんで決勝を棄権。5月のゴールデングランプリ川崎でも11秒56の平凡な記録に終わり「いい走りができなかった」と唇をかんだ。
もっとも、会心の走りに見えるこの日のレースにしても、福島に言わせれば完璧ではない。「もうちょっと、と思うところがあるとすれば前半かな」。昨秋の広州アジア大会で2種目を制したが、「アジアの1番を守るために走っているわけじゃないですから」と言い切る。目指すのはあくまで世界という高みだ。
12日に行われた女子200メートル決勝も23秒44で2年ぶりの優勝。こちらも危なげない走りで自身初の2冠を達成した。
福島は7月7〜10日に神戸で開催されるアジア選手権にも出場。世界選手権へ向けどんな走りを見せてくれるか期待が高まる。