リビアのカダフィ政権が事実上崩壊
リビアの首都トリポリに進撃していた反体制派は22日、最高指導者カダフィ大佐の居住区のバーブ・アジジヤ地区を除き市内の全域を制圧、約42年間独裁体制を続けたカダフィ政権は事実上崩壊した。
反体制派組織「国民評議会」のアブドルジャリル議長は22日、反体制派の拠点の北東部ベンガジで記者会見し、「カダフィ時代は終わった」と宣言、所在が不明の大佐について「公正な裁判のため、生け捕りにすることを望む」と語った。
23日には反体制派は、カダフィ大佐の拠点バーブ・アジジヤ地区で抵抗するカダフィ派部隊と激しい戦闘を続け、同地区を制圧。北大西洋条約機構(NATO)軍も同地区を空爆、一部兵士らはカダフィ大佐の邸宅に突入したという。
そしてアブドルジャリル議長は24日、8カ月以内に大統領選と議会選を実施する意向を表明、国際社会の支援を受けて本格的な政権移行に着手した。一方、同議長はカダフィ大佐の拘束に200万リビアデイナール(約1億2800万円)の賞金を懸けると表明、捜索を強化している。
バーブ・アジジヤ地区内には大佐らの居住区域のほか軍施設もあり、約30キロにも及ぶ複数の地下トンネルが掘られていることが判明。中には地中海に達するものもあるとされ、すみずみまで捜索するにはなお時間を要しそうだ。