陸山会事件で元3秘書に有罪判決 小沢氏公判に与える影響は…
ニュースの焦点
小沢一郎民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地購入などをめぐり、政治資金規正法違反罪に問われた衆院議員、石川知裕被告(38)ら元秘書3人の判決公判が26日、東京地裁で開かれた。登石郁朗裁判長は「政治資金規正法の趣旨にもとる悪質な犯行」と指摘し、3人全員に有罪判決を言い渡した。
石川被告は禁錮2年、執行猶予3年(求刑禁錮2年)▽元公設第1秘書、大久保隆規被告(50)が禁錮3年、執行猶予5年(求刑禁錮3年6月)▽元私設秘書、池田光智被告(34)が禁錮1年、執行猶予3年(求刑禁錮1年)。大久保被告は、併せて審理が行われていた西松建設の違法献金事件についても有罪とされた。
元秘書との共謀で強制起訴された小沢氏の公判は10月6日から始まる。
今回の結果がどのような影響を与えるのか。判決は小沢氏側が否定し続けた政治資金収支報告書の虚偽記載を認定。客観的事実だけで3人の間の共犯関係も認めたため、小沢氏と秘書との「共謀」が成立する可能性もある。
東京地裁が下した判決は、収支報告書の虚偽記載成立を指摘した上で、「政治活動や政治資金の流れに対する国民の不信感を増大させた」と断定し、政治資金透明化の流れと逆行するずさんな姿勢を糾弾した。
もう一つ小沢氏にとって逆風と言えるのが、共謀の認定のあり方だ。3人の公判は小沢氏との共謀を審理の対象としていないが、判決は石川知裕、池田光智両被告と、大久保隆規被告の共犯関係を認めた。石川、池田両被告と、小沢氏と大久保被告をつなぐ直接の証拠は、東京地検特捜部の供述調書のみ。だが、地裁は調書の作成過程で「威圧的な取り調べや利益誘導があった」とし、証拠採用しなかった。
それでも判決は「大久保被告の小沢事務所での役割や立場を考慮すれば、4億円の借り入れを隠蔽することについて利害関係があった」と指摘し、共謀関係を認めたのだ。
小沢氏は27日、都内の個人事務所で同氏を支持する議員と会談し、元秘書3人の有罪判決に関し、「検察が立証できないのに、あんな判決はありえない」と述べ、1億円の裏献金の存在を認定した判決内容に強い不満を示した。
なお元秘書3人の弁護人は27日、1審東京地裁判決を不服として、東京高裁に控訴した。