トイレ革命勃発!? ミュージカル『ユーリンタウン~』開幕

ph_web07.jpg
  ブロードウェイ・ミュージカルの名作『ユーリンタウン-URINETOWN The Musical-』が14日、座・高円寺で幕を開けた。

 地球規模の干ばつで、節水のため、すべての人が有料公衆トイレを使用することを義務付けられた街を舞台にしたストーリー。料金が払えず自由に排泄もできない貧しい人たちが多くいるが、有料トイレを使用せずに排泄したのが見つかると逮捕され、誰もが恐れるユーリンタウンに送られてしまう。そんな状況のなか、トイレの利権を持つ大企業は一方的に値上げを通達。市民は自由にトイレを使う権利を求め立ち上がるが……。

  日本で上演されるたびに話題を集める作品。水をテーマにした社会派作品で、その恩恵を受ける人間はどう使うのが正しいのか、そこから考えられる理想の生きかたなどさまざまなメッセージが込められている。しかし、そうした硬い部分を腰が抜けるようなジョークやユーモアを散りばめて見せてくれる。

  キャストは、会場内を縦横無尽に、走り、踊り、逃げ回る。ステージ上に全員同時には乗り切れないのではないかというほどの(資料によると総勢40余名)人数だけに、迫力は満点だ。別所哲也演じる警官ロックストックはストーリーテラー役も兼ねていて、ユーモアたっぷりのマイクパフォーマンスで、会場を盛り上げる。それと同時に、切なさ極まるエンディングまで、滑らかかつドラマティックにシーンをつなげていく。休憩を挟み、約2時間半の間、笑わせ、切なくさせ、さらに未来へと思いを馳せさせてと、観客をぐいぐいとストーリーにのめり込ませた。

  2009年にも同じ流山児祥の演出で同じ劇場で1カ月30ステージのロングラン公演を行い、連日超満員という一種のムーブメントを起こした。2011年度版もまた多くの人を魅了しそうだ。