イケメンチェリスト 2CELLOSをインタビュー
話題のイケメンチェリストを突撃!
ポップスやロックの名曲をたった2本のチェロで演奏して世界中から注目を集める、2CELLOS(トゥー・チェロズ)。クラシック界ではトップクラスの演奏家として活躍する彼らがなぜこんなパフォーマンスを? ルカ・スーリッチとステファン・ハウザーにインタビューした。
撮影・神谷渚
マイケル・ジャクソンさんのヒット曲『スムーズ・クリミナル』や、米ロックバンドのガンズ・アンド・ローゼズの『ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル』、ニルヴァーナの『スメルズ・ライク・ティーン・スピリット』――。ルカ・スーリッチとステファン・ハウザーからなるトゥー・チェロズは、音楽史上に残るロックやポップの名曲を、たった2本のチェロで聞かせてしまう。クラシック界でスター街道を走る彼らになぜこのようなプロジェクトを始めたのかと尋ねると、「何か面白いことをしたかったから」だという。
「ロックバンドは大観衆の前でライブをし、大歓声をもらっているよ。女の子たちも夢中だよ。ジャンルは違うけど、僕らも同じように音楽をやっているのに状況は全然違うんだ。自分もあんなふうになりたい、あんなふうにライブをしたいって思ったんだ(笑)」(ステファン)
2人とも、クロアチアで生まれ、チェロに出会い、イギリスの名門音楽大学で学んだ。ともに世界トップクラスの演奏家だ。ルカに至っては、父親もチェリストというクラシック家族の生まれだ。
「父は、最初はあまり興味を持ってなかった。でも、反響が出てからはすごく喜んでる。父はチェロ教室をやってるんだけど、僕らみたいに演奏したいって生徒が殺到しているみたいなんだ」(ルカ)
クラシックとその他のジャンルの音楽の融合は、今となっては珍しくない。が、彼らのすごさは、多彩なサウンドや音で構築されたポップソングや、4〜5人、時にはそれ以上の人数で演奏されるパワフルなロックソングをたった2人で演奏し切ってしまうところ。優れた演奏家だからこそできる技だ。
「デビューアルバム『2CELLOS』には、新旧を問わず、みんなが知っているものを選曲した。青春時代はクラシック一色で、起きて、チェロをして、食べて、寝てって生活で、クラシック音楽以外の音楽を聴くこともほとんどなかったから、ステファンみたいな変わった奴としか友達になれなかったんだけど(笑)。だから、選曲は、普段の生活で耳に入ってきた曲が中心なんだ」(ルカ)
「チェロで演奏しやすい曲という考え方で選んでないから、ルカは大変だと思う。彼はオリジナルでは複数の楽器で演奏しているパートを1人で担当しているんだ(笑)」(ステファン)
世界中からオファーが殺到し、目まぐるしい生活を送る2人だが、彼らの基盤であるクラシックも忘れてはいない。
「ライブでは必ずクラシックの楽曲を演奏しているんだ。僕らをきっかけにクラシック音楽、なによりもチェロにもっと興味をもってくれたらうれしい。チェロは温もりのある楽器だからね」(ルカ)
「オーケストラだとチェロは全然目立たない! だから僕らは頑張る」(ステファン)
年明けには来日公演も決定。日本でもチェロ教室に通う人が続出しそうだ。
(本紙・酒井紫野)
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