大阪ダブル選で維新の会圧勝 既成政党に逆風

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 大阪府知事と大阪市長のダブル選は27日、投開票が行われた。市長選は、前知事で地域政党「大阪維新の会」代表の橋下徹氏(42)が、民主、自民両党府連の支援を受けた現職の平松邦夫氏(63)を破って初当選した。知事選でも維新の会幹事長の前府議、松井一郎氏(47)が、両党府連の支援を受けた前池田市長、倉田薫氏(63)ら6人を破り初当選した。

 橋下氏が知事を任期途中で辞職したことにより実現した40年ぶりの大阪ダブル選は、「維新VS反維新」の構図で激戦が展開され、府と大阪市の再編を伴う「大阪都構想」を掲げた「橋下維新」の圧勝となった。

 橋下氏は27日夜、大阪市内のホテルで記者会見し、公約に掲げた「大阪都」構想の実現に向けた中央政界への働きかけに関し、「受け入れてもらえないなら候補者擁立の準備に入る」と述べ、次期衆院選に「大阪維新の会」としての候補者を擁立する考えを示した。

 就任後初の大型地方選に敗れた野田佳彦首相にとって大きな打撃となった。民主、自民両党が共闘しながら敗北したことは国民に既成政党への不信感が高まっていることの証左。

 一方、維新の会の会見場に駆けつけたみんなの党の渡辺喜美代表は、記者団に「みんなの党は関東の地域政党、維新の会は大阪の地域政党だ。本当に自分たちの選挙と同じ感覚でやってきた」と連携ぶりをアピールした。

 一夜明けた28日には衆院大阪7区選出の藤村修官房長官が午前の記者会見で、橋下氏との会談について「要請、相談があったときは受けることになると思う」と踏み込んだ。「政府としては引き続き注視しつつさまざまな意見、要望などはよく伺いたい」とも語った。川端達夫総務相(衆院滋賀1区)も都内で記者団に「大都市制度の在り方については国民の関心が高く、いろいろな課題も出てきているのは事実だ」と述べ、大阪都構想が地方自治法改正案を審議する第30次地方制度調査会のテーマになる可能性を明らかにした。

 自民党の石原伸晃幹事長は28日、大阪市内で記者団に対し、橋下氏と「胸襟を開いて話し合う」と強調。これに先立つ党所属議員の会合でも「橋下氏をしっかり応援しないといけない」と最大限の賛辞を送った。