2011年ニュースランキング
ヘッドライン編集部独断と偏見による
2011年の国内ニュースを振り返ると、ほとんどの人が3月11日に起こった東日本大震災をあげることだろう。その後の福島第一原発の放射能問題も含め、全世界から注目されるニュースとなってしまった。スポーツ界ではサッカー日本女子代表が女子ワールドカップで優勝。震災で元気を失っていた日本に勇気と希望をもたらした。一方、海外に目を向けると、良くも悪くも歴史を語る上で欠かせない人物が多く命を落とした一年だった。
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Prime News
政治・経済・社会
今年は3月11日に起きた東日本大震災、それにともなう福島第一原発からの放射能問題につきるだろう。
1 東日本大震災発生。日本観測史上最大のマグニチュード9.0
3月11日14時46分、宮城県牡鹿半島の東南東沖130kmの海底を震源として、日本では観測史上最大の規模となるマグニチュード9.0の地震が発生した。震源域は岩手県から茨城県まで広範囲にわたる。地震はもとより10メートル以上の津波、液状化現象などで壊滅的な打撃を受けた。警察庁の発表によると12月12日現在、死者は1万5841人、重軽傷者は5890人。福島第一原発事故による電力不足がささやかれ、東京電力と政府による無計画な「計画停電」が都内でも混乱を引き起こした。
2 福島第一原発事故による放射能汚染広がる
東日本大震災によって原子炉が緊急停止。地震と、それによる津波などで外部電源までをも失った福島第一原発は原子炉を冷却することができなくなり、核燃料の溶融が発生。12日に1号機で水素爆発。原子炉を冷却するための海水注入も判断が遅れ、放射性物質が外部へ放出された。枝野官房長官(当時)は「ただちに健康被害は出ない」と繰り返したが、現在、放射能被害は広がる一方。12月16日には野田首相が「冷温停止状態」宣言を出すも、収束といえる状態には至っていない。
3 大阪ダブル選で「大阪維新の会」が勝利
大阪都構想をぶちあげ、府知事を辞任し大阪市長選に立候補した橋下大阪府知事。民主・自民・公明、そして共産党までもが応援した平松市長を破った。府知事選でも大阪維新の会の松井一郎氏が圧勝。大震災で日本中が迅速な政策の実行を望むなか、政局に終始した既成政党への失望感は2012年、どのような形で政界を襲うのか。
4 菅首相退陣、野田首相誕生
5 オリンパスが巨額損失隠し
6 大王製紙前会長を特別背任容疑で逮捕
7 テレビの地上波放送が地デジに移行
8 大学入試でネット使いカンニング
9 小沢民主党元代表を強制起訴
10 東京・立川で国内最高の6億円強奪事件
World News
国際ニュース
ツイッターやフェイスブックなどがきっかけとなって世界中で革命が。そんな年にアップルのジョブズ氏が亡くなるとは…。
1 北朝鮮の金正日総書記が死去。後継者は正恩氏
北朝鮮の朝鮮中央テレビは19日、最高指導者の金正日朝鮮労働党総書記が17日午前8時30分、現地指導のために移動中、心筋梗塞を起こし心原性ショックを併発、列車内で死去したと報じた。69歳だった。
後継者は三男の金正恩氏となるが、軍や秘密警察などの統治機構を強力に押さえ、独裁体制を維持した金総書記に比べ、正恩氏の統率力は未知数。引き続き核やミサイル開発を中心に据える軍事強権体制の「先軍政治」を維持するとみられ、北朝鮮が今後どのような内外政策に出るのか予断を許さない情勢だ。
2 アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏死去
米電子機器大手アップルの創業者で会長だったスティーブ・ジョブズ氏が10月5日死去した。1976年にアップルを創業。パーソナルコンピューター「マッキントッシュ」が大ヒット。その後も「iPod」「iPhone」「iPad(アイパッド)」とヒット商品を連発した。2003年に膵臓癌、2008年には肝臓へ癌が転移。2009年1月から半年間CEO休職。2011年1月18日には休職を発表、8月24日にはCEOを辞任していた。
3 中国浙江省で高速鉄道が衝突・脱線。死者多数
中国東部の浙江省温州市付近で23日、同省杭州市から福建省福州市に向かっていた高速鉄道「D3115」が脱線事故を起こし、多くの死傷者を出した。事故原因の調査も始まらぬうちに24日には大破した運転席など車両の先頭部分を重機で現場に掘った穴に埋め、25日には運転を再開。「証拠隠滅」の批判の声が上がるや掘り起こし調査を始めた。
4 米当局がウサマ・ビンラディン殺害
5 ニュージーランドでマグニチュード6.3の地震
6 NY発の反格差デモが世界に拡大
7 リビアの反カダフィ勢力がカダフィ大佐を殺害
8 ジャスミン革命を発端に独裁政権崩壊
9 中国がGDP世界2位へ
10 欧州危機続く
Sports
野球・サッカー・相撲etc
なでしこジャパン、柏レイソルとサッカー界が日本に元気を与えた一方で、プロ野球界の盟主はいったい何をしているのやら…。
1 なでしこジャパンがサッカー女子W杯で優勝
ドイツで行われた「2011 FIFA女子ワールドカップ」に出場したサッカー日本女子代表(なでしこジャパン)は予選リーグを2勝1敗で突破すると、決勝トーナメント準々決勝で前回優勝のドイツ、準決勝でスウェーデンを破り、決勝ではアメリカと対戦。アメリカには今まで0勝21敗3分けと歯が立たなかったが、なでしこは華麗なるテクニックで互角の戦いを見せる。勝負はPK戦までもつれこんだが、3−1で勝利を収め優勝。なでしこたちは帰国後、国民栄誉賞を受賞。「なでしこフィーバー」が起こった。しかしこの騒ぎに浮かれることなく、9月に行われたロンドンオリンピックアジア予選も突破。なでしこフィーバーはまだまだ続く。
2 巨人の清武英利球団代表兼GMが渡邉球団会長を告発
巨人の清武英利球団代表兼GMが日本シリーズの前日の11日に文部科学省で会見し「読売新聞グループ本社会長兼主筆にして読売巨人軍球団会長でもある渡邉恒雄氏が、巨人の来季のコーチ人事に不当に介入。会社の内部統制とコンプライアンス(企業倫理)を破った」とする声明を発表し、渡邉氏を批判した。渡邉氏は12日には反論談話を発表。その後、訴訟合戦に。この泥仕合はいったいどこまで続くのか。
3 Jリーグ史上初!! 柏レイソルが昇格初年度でJ1優勝
1年間でサッカーJ1リーグに再昇格した柏レイソルは持ち前のパスサッカーで勝ち進み、Jリーグ史上初めての昇格即優勝の快挙を成し遂げた。リーグ優勝の勢いそのままに出場したクラブワールドカップではオークランドシティ(オセアニア代表)、モンテレイ(北中米代表)を破り準決勝進出。ネイマール擁するサントス(ブラジル)に敗れたが、果敢な戦いを見せた。
4 レ軍がダルビッシュを5170万ドルで落札
5 大相撲八百長問題で春場所中止
6 TBSがDeNAに球団譲渡
7 室伏広治が世界陸上で金メダル
8 内村航平が世界体操男子個人総合で史上初の3連覇
9 オルフェーブルが史上7頭目の三冠馬に
10 魁皇が史上1位の通算1046勝
ShowBiz
芸能人・音楽・映画
東日本大震災を受けて復興支援ムードが再燃し、エンターテインメントの持つ力がフィーチャーされた年だった。その一方でもやもやを残した人も……。
写真は、TUBEの前田亘輝の呼びかけでアーティストが集結したRESTART JAPAN
1 アーティスト、役者ら芸能人が震災復興支援!
東日本大震災を受けて、アーティストや俳優、タレントなど多くの芸能人が復興支援に乗り出した。自ら被災地に赴いて炊き出しや家屋から泥をかき出すボランティア活動をした人、楽曲を作って発表したり、チャリティーライブを展開したアーティストも多かった。芸能人による支援は、それぞれが自分たちにできることを実践するスタイルで、今もなお継続している。支援は海外からも寄せられた。LADY GAGAは、チャリティーブレスレットを制作し販売。収益金はすべて日本に寄付された。震災時に来日中だったシンディ・ローパーは多くのアーティストが公演を断念するなか、エネルギッシュなライブで日本にエールを送った。
2 マルモにミゲル国内外の子どもたちが大活躍!
震災、またそれに起因する原発事故、それに対する政府の対応など、先の見えない不安でどんよりしていた日本を明るくしてくれたのが、子どもたちだ。ドラマ『マルモのおきて』に出演した芦田愛菜と鈴木福が大ブレーク。薫と友樹、たまにムック。として2人が歌った『マル・マル・モリ・モリ!』も大ヒットした。『消臭力』のCMで大人顔負けの歌唱力を披露したポルトガルからやってきた歌手ミゲルも注目を集めた。
3 歌姫も独身貴族も! 芸能界結婚ラッシュ震災もきっかけに
浜崎あゆみの電撃婚からスタートした2011年は、多くの芸能人がゴールインした。松山ケンイチと小雪、ゆずの北川悠仁とフリーアナウンサーの高島彩、ほしのあきと騎手の三浦皇成などビッグカップルもゴールイン。12月13日には、 倖田來未もロックバンドBACK-ONのKENJI03との電撃婚を発表した。加藤茶、小林幸子など熟年の結婚も目立った年だった。
4 島田紳助が黒い交際で電撃引退
5 アーティスト、芸能人らが反原発運動
6 原田芳雄さん児玉清さんら名優逝く
7 AKB48旋風衰えず! 世界戦略も加速
8 立川談志さん喉頭がんのため死去
9 英歌手エイミー・ワインハウスが急死
10 韓流に偏重?ツイートきっかけにデモ
危機に直面したとき人はどう行動すべきか――を目の当たりにさせられた2011年
2011年は「人間力」と「地頭」が試された一年だった。大震災が起こり、放射能が漏れ、円高は続き……。危機的な状況に置かれたとき、いかに行動するかが問われた。俳優の山本太郎は収入を10分の1に減らしながらも脱原発を訴え続けた。一方で、政治は政局に終始。被災者への支援・復興は後手後手に回った。脱原発に与するつもりはないが、どちらに説得力があるか、どちらの声に耳を傾けたくなるか――。大阪維新の会の掲げる「大阪都構想」もそう。これがどれほどのメリットがあるか分からないが、人は説得力のあるほうになびいてしまう。ここでいう説得力というのは言葉で人を封じ込める類のものではなく、行動、所作からにじみでる種類のもの。2011年、果たして政治にその説得力はあったのか、そして東京電力からおわびの気持ちを感じられた人はいたのだろうか…。
そして最後に。人はいつか死ぬ――とはいっても、2011年は特に多くの著名人の死亡記事が目についた。ビンラディン、カダフィ、並べるのもなんだがジョブズ、そして締め切り間際には金正日。国内では立川談志、原田芳雄、市川森一、森田芳光、ジョー山中、松田直樹、そしてプロレスラーの上田馬之助…。
2011年は歴史の転換点として語られる一年になるに違いない。