修斗の新星・堀口が1R TKOで復活勝利

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堀口(上)が打撃で圧倒(撮影・神谷渚)

 修斗の「プロフェッショナル修斗公式戦~東日本大震災チャリティ~」が10日、水道橋の後楽園ホールで開催された。

 メーンでは1月の大会で上田将勝にプロ初黒星を喫した堀口恭司が徹肌ィ朗と対戦。1R2分6秒、TKOで勝利を収め、復活の雄叫びを上げた。

 徹は1月大会では敗れはしたものの、岡嵜康悦の世界フェザー級王座に挑戦するほどの実力者。寝技を得意とし、堀口にとっては上田に続く難敵だ。スタンドでの打撃なら堀口、グラウンドなら徹。試合の焦点はこの一点に絞られた。

 ゴング早々に組みにいく徹は堀口の左ハイキックを交わし、すかさずタックル。堀口は投げ気味に振り払い、上のポジションを取りパウンドを落とす。下から潜ろうとする徹。スタンドに戻そうと離れる堀口だが、徹は足を離さずしつこくテイクダウンを狙う。一瞬ヒヤリとさせられた堀口だが、スタンドに戻るとパンチから飛びヒザをヒット。ダメージを受けながらも、徹はなおもしつこく片足タックルを狙う。しかしタックルに固執するあまり、顔面はがら空き。堀口はタックルを潰すと足をつかまれながらも、上の体勢からパウンド、鉄ついを連打。意地でも足を離さなかった徹だが、動きが止まったところでレフェリーがストップをかけた。

 上田戦での敗戦を早くも自らの糧とし、復活した堀口。徹のしつこいタックルに関しても「しがみついていたとき(徹が)下を向いていたので大丈夫だと思った」と冷静に振り返る余裕も見せた。そして今後については「ベルトが絡む試合がしたい。銀色のベルト(世界タイトル)が欲しい」と、ターゲットを現世界王者の岡嵜に向けた。

 セミファイナルでは「猿丸ジュンジvs正城ユウキ」のフライ級注目の一戦が組まれた。世界王者・山上幹臣へのトップコンテンダーといっても過言ではない猿丸と、この一戦からフライ級に階級を下げた正城。勝ったほうが世界挑戦に大きく近づくだけに、一進一退の攻防が繰り広げられた。

 1Rからスピーディーな打撃戦が展開される。猿丸が左右のフック、左ミドルで正城を追い込むと、正城は右ローで猿丸の足を止め、前蹴り、ボディーブローでスタミナを奪いにかかる。打撃ではやや分がある猿丸だったが、3Rには正城がタックルからテイクダウンに成功。マウントをキープしパウンドで追い込みあわやの場面を見せたが、判定で猿丸が勝利を収めた。

 この日は5月18日の後楽園大会の一部カードを発表。ウェルター級王者の弘中の初防衛戦が行われる。また佐々木有生が11年ぶりに修斗に参戦。中村K太郎と対戦する。