果たして香川は...(Photo/AFLO)
ロンドン五輪に出場するサッカー男子のU-23(23歳以下)日本代表の選手選考で、日本サッカー協会や関塚監督は海外組招集、最多3人となっている24歳以上のオーバーエージ(OA)枠活用の方針を打ち出し、Jリーグの各クラブなどに協力を求めた。
U-23世代ながらA代表の中心選手ということもあり招集が見送られてきた香川(ドルトムント)や英プレミアリーグで活躍中の宮市(ボルトン)といった海外組や、噂される長友(インテル)、長谷部(ウォルフスブルク)、阿部(浦和)、岡崎(シュツットガルト)、前田(磐田)といった経験豊富なA代表の常連たちがチームに加わると大幅な戦力アップになることは確実だ。
国際サッカー連盟(FIFA)は3月の理事会で、「各クラブは五輪に出場するU-23代表に選出された所属選手の招集を断ってはならない」との見解を示したことから、これらの選手の招集に道が開けたようにも見えるが、選手の拘束力については根拠が曖昧だ。
なぜならFIFAが2008年の北京五輪で同様の通達をした際、当時21歳だったメッシ(アルゼンチン)が所属していたバルセロナ(スペイン)などが反発。訴えを受けたスポーツ仲裁裁判所(CAS)は、「選手派遣の強制力はない」との判断を下しているからだ。メッシは最終的にバルセロナが派遣を認め、アルゼンチンの金メダル獲得に貢献した。しかし、ロンドン五輪でも選手の拘束力が生じるかは微妙で特に海外のクラブは派遣を拒否する可能性は十分に考えられる。
もっともそれは国内クラブでも同様で。五輪代表に選ばれると、五輪期間中も開催されるJリーグの4試合には出場できなくなり、大幅な戦力ダウンになりかねない。
また6月にW杯ブラジル大会のアジア最終予選が始まるのだが、協会の原博実・強化担当技術委員長は同予選を優先する考えを持っている。「6月にはW杯予選3試合があるので難しい部分はある」と話しており、A代表組はOA枠どころか、23歳以下の選手でも五輪に派遣しない可能性もある。これにあたるのが清武。清武がメンバーから外れたら戦力ダウンは計り知れない。
果たしてロンドンのピッチにはどのようなメンバーが立つことになるのだろうか。