「無罪」小沢氏の党員資格停止処分解除へ

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(Photo/AFLO)

 資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の判決公判が4月26日、東京地裁で開かれた。大善(だいぜん)文男裁判長は、元秘書による政治資金収支報告書の虚偽記載を認めた上で、共謀の成立を否定し、無罪(求刑禁錮3年)を言い渡した。  判決は、検察の捜査を「事実に反する捜査報告書を検察審査会に送ることはあってはならない」と批判。強制起訴の適法性は「検審の審査手続きに違法性があるとはいえない」として有効と判断した。  控訴期限は5月10日まで。検察官役の指定弁護士3人は2日、控訴の可否を協議したが、結論は持ち越しとなり、9日午前11時から再協議して方針を決定する。  小沢氏の無罪判決を受け、輿石東幹事長は26日、5月7日の党役員会で小沢氏への党員資格停止処分の解除手続きに入ると明言。輿石氏は野党側が求めた小沢氏の証人喚問も「必要ない」と拒否する姿勢を示した。一方、前原誠司政調会長は記者会見で、小沢氏の党員資格停止の解除に慎重姿勢を示した。藤井裕久党税調会長は27日のBS番組などで、野党が要求する小沢氏の証人喚問について「早くやって早く解決したほうがよい。本来の政策論議をすべきだ」と前向きな考えを示した。  しかし日米首脳会談で訪米中の野田佳彦首相(党代表)が米国での同行記者団との懇談で、無罪判決を受けた小沢氏の党員資格停止処分に関し、処分解除を主張する輿石氏ら党執行部に判断を委ねる意向を表明したため7日の党役員会を経て、8日の党常任幹事会で解除される見通しとなった。