(Photo/AFLO)
6日決選投票が行われたフランス大統領選で、左派で最大野党の社会党候補、フランソワ・オランド前第1書記(57)が、右派与党の国民運動連合(UMP)、ニコラ・サルコジ大統領(57)を破って当選した。大統領の任期は5年。
社会党の大統領はミッテラン氏が退任して以来17年ぶり。1958年に発足した第五共和制下では2人目。現職大統領の敗退は31年ぶり。イタリアなど欧州で相次いだ政権交代は、ドイツとともに危機対応を主導したフランスにも及んだ。
サルコジ氏とともに二人三脚で欧州債務危機に取り組んできたメルケル独首相は7日の記者会見で「財政緊縮、成長のどちらが必要かという議論ではない。両方必要なのははっきりしている」語った上で、オランド氏が求める欧州連合(EU)の新財政協定の再交渉について、「すでに合意した事柄を再協議するわけにはいかない」と拒否する姿勢を示した。しかし一方で「欧州にとり仏独関係は不可欠だ」とも述べ、オランド氏との協力関係構築を目指す意向も示した。
オランド氏は選挙戦で、「ドイツが欧州のことを決めるのではない」とメルケル氏を牽制。良好な両国関係が維持できるかが、投票前から懸念されていた。
両氏が新たな首脳関係を築き、成長と緊縮を両立させる政策を共同で打ち出せるか否かが、今後の危機克服の重要なカギとなる。