メドベージェフ露首相が国後訪問

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(Photo/AFLO)

 メドベージェフ露首相はロシア極東を訪問中の3日、北方領土の国後島に入った。ゴロデツ副首相、イシャエフ極東発展相ら5月に発足したプーチン政権の新閣僚が同行した。日本政府はこれまで露側の政府要人が四島に足を踏み入れる度に「国民の感情を傷つける」などと抗議してきたが、島への訪問中止の要請は完全に無視された形。  首相は大統領時代の2010年11月、ソ連時代を含めロシアの国家元首として初めて国後島を訪れている。前回はその後、両国関係が険悪化し「戦後最悪のレベル」(交渉筋)にまで陥った。  首相は3日、今回の極東歴訪の最初の訪問地であるウラジオストクからサハリン州に移動。ユジノサハリンスクで開かれたクリール諸島(千島列島と北方領土)開発計画に関する協議では、「島々はロシアの領土の重要な一部だ」と強調。さらに280億ルーブル(約690億円)の予算をかけて進められている同開発計画の政府支出を増やす意向も示唆した。  首相は1度、悪天候のため、今回の訪問見送りを示唆したが、「政府の一員として訪れることは極めて大事だ」とこだわりを見せ、予定されていた択捉島ではなく、国後島を強行訪問した。  メドベージェフ首相は国後島での住民との対話で、北方四島は「ロシア固有の領土であり、一寸たりとも譲りはしない」と言明したという。