小池百合子のMOTTAINAI
今年の夏の省エネはオーニングで
さあ、また暑い夏の到来です。
昨年は、東日本大震災と福島第一原発事故の関連で計画停電が各地で実施され、毎日、電力使用量のアップ・ダウンに一喜一憂したものです。
電力を大量に消費する事業所は電力制限令という強力な規制もあり、現場でさまざまな工夫を凝らした結果、電力シャットダウンも回避できました。これも日本国民の絆の凄さの証明でありました。
一方で、「意外とやっていけるじゃない」と妙な安心が広がりました。国民による節電努力に加えて、老朽化し、使われなくなっていた火力発電所をにわかに動かしたり、工場などの予備電力をフル活動させたりと涙ぐましい努力があったからこそ、です。火力発電に注ぎ込んだ石油、ガスの購入に、3兆円ものカネが注ぎ込まれたことも事実です。
1年が過ぎ、発電状況が好転したわけでもないところに、「去年は大丈夫だった」という妙な自信もあり、かえって今年の夏のほうが危険です。
練馬の実家を究極のエコハウスとして、さまざまな実験を試みている私ですが、すべての照明をLEDに、最も外気にさらされやすい開口部である窓は断熱効果が高い複層ガラスにしと、すでにあらゆる対策を講じています。
昨年は窓部分からの遮熱を徹底するため、「緑のカーテン」として、ゴーヤ、朝顔などのつる性植物にも挑戦しました。効果もさることながら、緑の植物がもたらす癒し効果、さらに実ったゴーヤでチャンプルにして食すなどのオマケも楽しむことができ、一石三鳥。
しかし、思わぬ問題がありました。緑のカーテン用のネット、つっかえ棒などの経費はたいしたものではなく毎年使えますが、水道代がバカにならないのです。
そこで、今年は3カ所ある開口部の一部に、オーニングを試すこととしました。ようはテント生地を使ったすだれ、よしずの類です。地中海などの建物ではストライプや色鮮やかなオーニングが街並みを上等にしてくれている、アレです。
日本でもお店などで、カラフルでしゃれたオーニングを見かけますが、一般住宅ではまだまだ活用が限られています。
手動はもちろん、電動で開け閉めができたり、風が強すぎるとセンサーが働いて、勝手にまきあげるなど、日本ならではの工夫した種類もあります。
エコハウスのためのエコポイント制度は予算消化で前倒しで終了とのことです。まだまだ工夫すべきことはあるのに、中途半端です。まだまだ本気度が足りないのでは。 (自民党衆議院議員)