パンダの赤ちゃんが肺炎で死亡
上野動物園は11日、7月5日に生まれた、ジャイアントパンダのシンシンの赤ちゃんが、同日午前8時30分に死亡したと発表した。死因は肺炎。上野動物園によると、11日午前6時45分には赤ちゃんの鳴き声を確認したが、7時30分に赤ちゃんがシンシンのお腹の上で心停止状態であおむけの姿勢になっており、取り上げ、保育器に収容。心臓マッサージなどをしたが8時30分に死亡を確認したという。
東京都は同日午後記者会見を開き、上野動物園の土居利光園長らが「非常に残念」としたうえで、状況を説明した。パンダは繁殖が難しい動物で、生まれても母親の乳が出なかったり、赤ちゃんが低体重であったり、感染症などによって生後1週間で死んでしまうこともある上、母親のシンシンが初産であることもあり、上野動物園では「慎重に準備を進めていた」。そのため、シンシンに育児疲れの兆候が見えた際には、人間が母親代わりとなって世話をする体制を敷き、10日にシンシンの元に返すことができた。その時は、シンシンは「子どもを大事そうに抱えていた」という。それだけに、スタッフにも死亡のニュースは驚きで、会見で当時の気持ちを問われた園長は涙で言葉を発せられかった。
死因の肺炎については、乳が呼吸器に入ったことが原因と説明。動物園側は「ものを飲むときにむせることがありますが、それが起こった。未然に防ぐことは厳しい」とした。
付き添っていた中国のパンダ専門家の反応については、「大変残念だと話していた。中国でもこういうことはあるんだよということは言っていた」と伝えた。
◆今後のパンダ繁殖に経験生かす◆
今後のパンダの繁殖について、動物園側は、「シンシンもリーリーも交尾もできましたし、出産もできた。シンシンが授乳をしたことも分かっているので、今後も繁殖が望める。今回は失敗してしまいましたが、教訓を生かしていけるのではないか。来年の繁殖期に発情が来たら、トライしていきたい」と、前向きなコメントを残した。