腕利き宣伝マンが猛プッシュ コレよ、コレ! 布施鋼治さん
格闘技の世界ではご意見番的な存在。以前は本紙でも辛口コラムを担当。最近の格闘技界に関しては「明るいニュースがない」とばっさり。
スポーツライター
布施鋼治さん
今でこそさまざまなスポーツがテレビに流れているが、テレビ草創期には多くの苦労があったらしい。今回紹介するのはそんな時期のテレビマンたちの苦労を描いたドキュメント本『東京12チャンネル 運動部の情熱』。著者はスポーツライターの布施鋼治さん。
「テレビ東京の前身である東京12チャンネルは1964年に民放で一番最後に開局したんですが、とにかく予算がなかった。でも枠は埋めなきゃいけないということで、スポーツをたくさんやろうということになったんです。でも人気スポーツには手が出せない。そこで当時は他のテレビ局でも手を出していなかったサッカー、女子プロレス、ボーリング、キックボクシングを放送したんですね。あとお金はかかったんですが、モハメド・アリvsジョー・フレージャーの世界戦を今でいう衛星生中継、当時の言葉だと“宇宙中継”をしたりしたんです」
今なら高視聴率番組ばかり。早すぎましたね。
「そういうそれぞれの番組の企画に至ったいきさつとか苦労話を当時の運動部のトップだった白石剛達(たけみち)さんという人を主人公にして書きました」
なんでまたテレビ東京だったんですか。
「17〜18年前にボクシングの雑誌の取材で白石さんにお話をうかがったことがあるんです。そのときに白石さんに興味を持ったんです。話も面白いし、人間的にも。こういう人の下で働きたかったなって思える人でした。知り合いの編集者の方にこういう面白い話があるということを話したら、こういう形でまとめることができました。本当に周囲の方々のお陰です」
目次を見ると『「サメ対ワニ」の異種格闘技戦』なんて項目もある。運動部の話とちゃうんかい?と思った人は買ってチェックだ!!
【著者】布施鋼治【発行】集英社
【価格】1575円(税込)