室伏問題をCASに提訴へ
国際オリンピック委員会(IOC)選手委員の選挙活動に規定違反があったとして陸上男子ハンマー投げの室伏広治(ミズノ)の当選が無効となった問題で、日本オリンピック委員会(JOC)は3日夕(日本時間4月未明)、室伏との連名で、スイスにあるスポーツ仲裁裁判所(CAS)に当選無効の取り消しなどを求めて提訴し、受理された。
東京都内で会見したJOC国際専門部会長の野上義二理事は、IOCから選挙違反と指摘された事項について「双方の認識に違いがあり、事実関係を照合する時間も十分になかった。納得がいく解決策を探りたい」と提訴の理由を説明した。
IOCは室伏の選挙活動について(1)室伏の写真を使ったアンチドーピングのポスターを選手村で掲示(2)JOCが日本選手団に配付した投票手順書に投票を呼び掛ける記述があった−ことなどを問題視して、警告していた。
また、選挙活動の禁止区域とされた選手村の食堂内で、室伏が多機能情報端末「iPad」を使って選挙活動を行ったことを「違反」とした。これらIOCの指摘に対し、野上理事は「選挙規定の範囲でやっており、違反と言われる筋合いのものではない。JOCに不利な結論になると推定するなら、提訴していない」とし、室伏の正当性を勝ち取ることに自信をみせた。