中国の反日デモ過熱  スポーツ界にも波及

 日本政府による尖閣諸島の国有化は、スポーツ界にも影響を及ぼし始めた。中国側は政府方針により、18日に東京・国立代々木競技場で開幕したバドミントンの国際大会「ヨネックス・オープン・ジャパン」に参加予定だった22人全員が出場を取りやめた。

 日本バドミントン協会によると、組み合わせ抽選終了後の14日、世界連盟を通じて不参加の連絡が入った。

中国側は「今の情勢の中では日本に選手を派遣できないと協会として判断した」と尖閣諸島国有化を理由に挙げたという。

 日本側も中国各地で過熱する反日デモを警戒し、中国への選手派遣を見送る競技団体が出ている。日本トライアスロン連合は同日、23日に中国・威海で行われるアジアロングトライアスロン選手権への選手、役員派遣中止を発表した。中国側から安全確保の約束を得られなかったことが理由。

 日本体操協会は、11月に中国で予定されるアジア選手権に向けて派遣選手の選考段階。塚原光男副会長は「派遣の可否も含めて検討する必要がある」と話した。

 日本卓球協会は19日、女子ワールドカップ(W杯:中国・黄石で21日開幕)にエントリーしていたロンドン五輪女子団体銀メダル、石川佳純の出場を断念したと発表。日本協会は中国各地で反日デモが拡大する中、国際卓球連盟を通じて中国側に11日から北京で合宿している石川の身辺保護を要請。19日になって中国協会から「安全を確保するのが困難な状況にあるので、出場を再考してほしい」との通知があり、欠場を決めた。

 また17日には、今月下旬に計画されていた横綱白鵬の中国訪問が中止されることが分かった。白鵬の訪中は日中国交正常化40周年の記念事業の一環。秋場所後の25日から4日間の日程で鳩山由紀夫元首相らと北京を訪れる予定だった。