『阿修羅のごとく』が来年1月舞台化。四姉妹に浅野温子、荻野目慶子、高岡早紀、奥菜恵

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 故向田邦子の最高傑作ともいわれる『阿修羅のごとく』が来年1月に舞台化される。制作発表会見が5日、都内で開催され、出演者が顔を揃えた。
 同作は1979年、向田脚本・和田勉演出によりNHKでテレビドラマとして放送された。その後、小説化され、2003年には故森田芳光監督が映画化。2004年には芸術座で舞台化されている。
 穏やかに暮らしていた父、母、四姉妹の家族。ある日、父に愛人と子供がいることが発覚したことをきっかけに一見平和に見えていた女たちが、それぞれに抱えている事情が徐々に露呈していく――。人間の嫉妬や猜疑心を辛辣にして繊細に描き出した名作だ。
 この日登壇したのは四姉妹を演じる浅野温子、荻野目慶子、高岡早紀、奥菜恵、父親役の林隆三、母親役の加賀まりこ。そして演出の松本祐子と企画協力で向田邦子の妹である向田和子氏の8人。
 長女を演じる浅野が「普通だったら私には回ってこない役をいただいた」と言えば、恋愛下手で、潔癖症の独身女性である次女を演じる高岡が「私も男性に対してとても消極的な役柄はまず来ません。ですから今回は(この役が)ぴったりだと言われるように頑張りたい」というように、それぞれの違った一面が見られそうな予感。また荻野目は33年前に同作のドラマ版に出演しており、感慨深げ。奥菜は「今日控室に入ったときにあまりのオーラに高揚して鼻息が荒くなってしまいました」と興奮気味だった。
 演出の松本は「映画ではひとつひとつのカットでしか見せられない」としたうえで、今回の舞台では「女の生き様をカットごとにではなく重ねて見せていければ」と、テレビや映画とは一味違った『阿修羅のごとく』を見せてくれそうだ。
 東京公演は来年1月11日から29日まで、ル テアトル銀座by PARCOで上演。その後、大阪と名古屋でも上演される。