小池百合子のMOTTAINAI

中国の大富豪は命がけ

 卒業旅行のつもりでしょうか。
 今月5日、野田佳彦首相はラオスで開かれたASEM(アジア欧州会議)を「最後」の外遊先として出席したものの、中国の温家宝首相にまたも「しかと」されてしまいました。中国のリーダーの頑なな態度は、どこか子供じみ、芝居がかっていて、痛々しささえ感じます。
「近いうち」解散の約束も守らない、日本国と日本国民を拉致し、国益を毎分毎秒棄損する野田・民主党政権に対する憤りはありますが、礼を失した中国の対応には、一人の日本人として失望するばかりです。

 日本の特命全権大使公用車の日本国旗を奪い、日本大使館や日本企業に投石をはじめ、まるで楽しむかのように乱暴狼藉を働く中国での動向を見るにつけ、まともに話せる相手ではないと感じるのは、私ひとりではないでしょう。

 昨年7月、かの「人民日報」の電子版が報じたニュースを目にした時も、まともに話せる相手ではないと感じました。

 2003年以降、8年間で報道されただけでも「72人の大富豪が死亡し、その多くが非業の死を遂げている」というものです。さらに、死因の内訳には驚かざるをえません。病死19人、事故死が7人ですが、他殺15人、自殺17人、そして死刑14人だというのです。

 今、共産主義の国、中国で億万長者が続出しています。中国の民間調査機関の調べによると、資産が1000万元(約1億2000万円)以上の富豪が102万人に上ったと発表しました。人口比で1300人に1人が億万長者という計算になるとのことです。

 どんなに億万長者になっても、どんなに国内外での贅沢三昧の生活を送り、子弟を海外、特にアメリカ、カナダ、イギリスに留学させても、結末が自殺、他殺、そして死刑では、浮かばれません。

典型的な例が、権力闘争の標的となり、本人は失脚、妻はイギリス人殺害容疑で執行猶予付き?の死刑を求刑された薄熙来氏のケースです。息子はハーバード大学に留学、高級車を乗り回し、交友関係も派手であったとされます。

 また、最近、ニューヨーク・タイムズ紙が報じたところでは、清廉とされてきた温家宝首相も、指導部入り後、首相夫人を含む一族で巨額の財産を築いたとされます。その額は27億ドル(約2200億円)に上ると聞いて、驚きます。

 日本でも若者の就職難が問題となっていますが、毎年700万人もの大卒者が輩出される中国で就職問題は深刻です。格差が広がる一方の13億人を抱える国の将来は、決して明るいものとは思えませんが、その腹いせがわが国に向けられることのないよう、立派な対応を心がけたいものです。      

(自民党衆議院議員)