ニュースの焦点 維新と太陽合併 石原氏が代表、橋下氏は代表代行に
衆院は16日午後の本会議で解散され、第46回衆院選が「12月4日公示、16日投開票」の日程で実施されることとなった。政権維持を目指す民主党と政権奪還を狙う自民、公明両党の攻防に、橋下徹大阪市長の日本維新の会や石原慎太郎前東京都知事の太陽の党など「第三極」が絡む展開となる。
その第三極だが、早々に動きが出る。
日本維新の会は17日、太陽の党との合併を決めた。太陽の石原慎太郎共同代表を代表に、橋下徹大阪市長を代表代行とした。石原氏は「乾坤一擲、みんなで命懸けで戦わないとこの国はもたない。第三極じゃだめだ。第二極だ」と、政権獲得を目指すことを表明した。
合併後の党名は日本維新の会で太陽は解党する。幹事長は松井一郎大阪府知事、国会議員団代表は太陽の平沼赳夫共同代表が就く。
石原氏は主要政策について「強いしたたかな日本をつくる、中央官僚が支配する政治体制を変える、日本が誇る経済を再建する、の3つの眼目で十分だ。後は天下を取ったら議論すればいい」と述べた。維新と太陽で合意した政策は8項目。地方交付税の廃止や消費税の地方税化と税率11%目安、道州制実現など維新側の要求が大きく反映された。
ただ、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)については交渉参加を前提としつつ「国益に沿わなければ反対」としたほか、「脱原発」がないなど、太陽側にも配慮した。
維新と太陽の合併には「野合」という批判もある。そんななか橋下氏は19日、大阪府高槻市で「市長のまま国会議員になれるんだったら来年の参院選に挑戦したい」と参院選出馬に意欲を示した。20日も市役所で記者団に対し、幹事長の松井一郎大阪府知事と「ワンセットだ」と述べ、2人そろって出馬したいとの考えを表明。20日には自治体首長と国会議員との兼職禁止を定めた地方自治法などの改正を目指す考えを表明した。
一方、自民党は21日、政権公約を発表。タイトルは「日本を、取り戻す。」。安倍晋三総裁は公約発表会見で「新しい自民党だからこそできる政策を掲げた。政治に関する国民の信頼を取り戻すための公約だ」と語った。
その中身は経済成長を重視する方針が鮮明ではあるが、一方で集団的自衛権の行使を可能とすることや憲法改正など、外交や安全保障、国家観などで「安倍カラー」を出したのが特徴。
また安倍氏はTPPについて「前提条件を突破でき、国益が守られれば交渉するのは当然だ。自由な貿易は日本にとって国益である」と述べ、コメが関税撤廃の例外扱いとなるなど、条件次第では交渉に参加することは可能だとの認識を示した。