公認申請書へ署名できず 民主党の鳩山元首相が引退
民主党の鳩山由紀夫元首相(65)=衆院北海道9区=が次期衆院選に出馬せず、政界を引退する。21日午後、野田佳彦首相(党代表)と党本部で会談し「第三の人生を歩みたい」と述べ、来月の衆院選に立候補せず、政界を引退する意向を伝えた。首相は「元首相の決断なので重く受け止める」と応じた。
鳩山氏は同日夕、北海道苫小牧市で記者会見し「私の主張を貫くと公認されないことを知った。これでは戦えないと判断した」と語った。
民主党執行部は衆院選候補者の公認にあたって、党の政策に従うことを条件とし、「党議を踏まえて活動する」との文言を入れた公認申請書への署名を強く求めている。
消費税増税や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)推進に反対していた鳩山氏はかねてから「考えを変えるわけにはいかない」としており、事実上、出馬断念に追い込まれた。
鳩山氏は今年6月、消費税増税法案の衆院採決で反対し、党員資格停止3カ月の処分を受けた。盟友の小沢一郎元代表が党を除名され、影響力を失うとともに、次期衆院選でも苦戦が予想されていた。