長島昭久のリアリズム

衆議院解散!争点は民主か、自民か、第三極か、ではない!

 11月16日、衆議院が解散されました。12月16日総選挙で、わずか1カ月の電撃戦となります。ことの発端は、解散2日前の党首討論。野田佳彦総理大臣は「『近いうちに国民の信を問う』と言ったことにウソはない」「(国家・国民のために)後ろに区切りを付けて、(特例公債法案や身を切る改革に)結論を出しましょう。16日に衆院を解散します。やりましょう!」と安倍晋三自民党総裁に迫ったのです。
 野田総理の解散宣言。私としては万感胸に迫るものがありました。遂に、胸にしまってきた積年(日)の思いを吐き出されたな、と感じたからです。さすがの安倍総裁も虚を突かれ狼狽を隠せませんでした。じつは、この間、私は煙たがられても遠ざけられても、総理の耳元で叫び続けてきました。どうか、後ろを振り向く(党内融和に腐心する)ことなく、国家国民のため総理がやらねばならないと信ずる政策を断行してくださいと。心ない批判に晒されながら、解散先送りの党内圧力に苦悶しながら、離党者続出の責めを一身に背負いながら、一日千秋の思いでこの瞬間を模索していたのだろうと推測します。さすがに堪忍袋の緒が切れたのは、同僚議員たちによる解散阻止・離党謀議という醜態だったのではないでしょうか。
 もはや野田総理の眼中には、民主党、自民党、第三極などという国内政局など微塵もない。ただ国益の一点を見詰め、この国を根本から立て直すために必要とされる政治家集団を真剣勝負で国民有権者に選んでもらおう。これに尽きると思います。ならば、私も覚悟を決めて、野田総理の掲げる「明日への責任」の大義を果たすため、全力を尽くして来るべき決戦に臨もうと決意を新たにいたしました。
 来るべき総選挙は、民主党(政権)を守る選挙ではありません。ましてや、震災復興に便乗し「国土強靭化」という名のもとで200兆円もの大型公共事業で税金無駄遣いを目論む自民党へ政権を戻す選挙でもありません。第三極をのさばらせ、国政全体を不安定の混乱に陥れるような時間的余裕はもはや我が国にはありません。来るべき総選挙は、政治家と有権者の覚悟を問う選挙です。
 未曾有の国難に正面から立ち向かい、社会保障、経済再建、外交安全保障といった「明日への責任」を果たすため、決めるべきことを、決めるべき時に、決め抜く政治を断行する本物の政治家は誰なのか。政治家の覚悟と共に有権者の眼力が問われる日本憲政史上始まって以来の大総選挙となると思います。皆さんも覚悟の選択をして下さい。
(防衛副大臣 長島昭久)