十八代目中村勘三郎の意志を継ぐ「赤坂大歌舞伎」

20130122b.jpg 赤坂大歌舞伎の製作発表会が21日、都内の会場で行われ、出演する中村勘九郎、中村七之助、中村獅童が登場した。


 赤坂ACTシアターで行われる同公演は、2008年に十八代目中村勘三郎が、歌舞伎の裾野を広げようと第1回目を開催したもの。3回目を迎える今回は、中村勘九郎襲名記念と銘打ち、十八代目勘三郎の当たり狂言『怪談乳房榎』を上演する。同作品は、早替わりや本水を使った演出が見所のエンターテインメント性にあふれる演目。勘三郎が演じた三役に勘九郎が挑戦する。


 3年ぶりとなる赤坂歌舞伎について勘九郎は「父はその土地に芝居が定着するのを喜びとしていたので、赤坂に歌舞伎が定着し、第3回目を迎えられるのはうれしい。父が切り開いた道を耕して豊かにするのが第一歩」と亡き勘三郎の意志を継ぐ決意を表明。七之助は「父は自分の好きな役をやると必ず僕たちに"やりたいだろう。この役やってみたいだろう"って言っていました。もちろん、これもとてもやりたかったし、兄(勘九郎)と、シャワールームで水の場面を真似して遊んだことも。父は新しいことをやったとよく言われれるが、実際は古典をとても愛していたアナログな人。古典を追求し、多くの人に見て欲しいと願っていた。だから僕もいろいろな人に見ていただけるように、死ぬ気でやりたい」と語った。


 また、今回出演する獅童について勘九郎が「この演目をやると決まった時に、(磯貝)浪江を獅童にやって欲しかったが、大河ドラマのスケジュールが詰まっていて難しいと言われた。でも父のお通夜の時に"何が何でも出る"と言ってくれて...」と裏話を披露。獅童は「どうしても出たかった。(勘三郎には)本当にお世話になった。親代わり、歌舞伎界の父親、恩人そして愛する大先輩でした。僕が出演した映画が公開される時や舞台の初日には、一般のお客さんに混じって見てくれて、いつも応援してくれた。だから勘三郎が作った道を切り開き、歌舞伎を見たことない人にも見てもらえるようにしたい。それが使命だと思っています」と、勘九郎、七之助とともに、中村屋スピリッツを継承することを誓った。


中村勘九郎襲名記念「赤坂大歌舞伎」【日程】3月8日(金)~24日(日)【会場】赤坂ACTシアター【演目】『怪談乳房榎』【出演】中村勘九郎、中村七之助、中村獅童ほか【料金】S席1万1500円、A席8000円、B席4000円(全席指定・税込)【一般発売日】2月2日(度)【チケット問い合わせ】サンライズプロモーション東京 TEL:0570-00-3337(10~19時)