修斗 佐々木憂流加が環太平洋フェザー級王座獲得
プロフェッショナル修斗の2013年開幕戦が20日、水道橋の後楽園ホールで開催された。
メーンで行われたのは徹肌ィ朗vs佐々木憂流加の環太平洋フェザー級王座決定戦。フェザー級は現在もっとも熱い階級といっても過言ではなく、この試合も生き残りをかけたハードな一戦となった。
徹と憂流加は和術慧舟會の先輩・後輩。寝業師同士の対戦だ。
実績では寝技世界一決定戦「アブダビコンバット」4位という徹に軍配が上がるが、憂流加はデビュー以来、“寝技王子”の異名を取る伸び盛りの23歳。得意のスリーパーホールドでフェザー級転向後2連勝を飾るなど、そのテクニックはヒケをとらないものがある。
1Rのゴング直後からいきなり息が詰まるような寝技の攻防が始まる。組み付いてきた憂流加を受け止め、徹が足払いからテイクダウンを奪い、アームロックを狙う。脱出し上を取る憂流加。下にもぐってリバースし、サイドポジションをキープする徹…。二手先三手先を読み合うグラウンドの攻防を会場はかたずを飲んで見守る。1Rはアームロック、三角絞めを狙い攻撃の手を緩めなかった徹がリード、2Rはテイクダウンしバックから執拗にスリーパーを狙った憂流加がリードし、勝負は3Rに。三角絞めを狙う徹、スリーパーを狙う憂流加、一進一退の攻防が続く中、ラウンド中盤に徹がマウントを奪う。ここで勝負アリと思われたが、2R終盤からガクッと動きが止まっていた徹はポジションをキープできない。憂流加はすぐさまハーフガードに戻しリバースして上を取る。徹も最後の力を振り絞ってフロントチョークを仕掛けるが、憂流加は倒立して逃れ、スタンドで組み付くと強引に引き倒しマウントからバックと移行。パウンドを落とし続けたところでゴングが鳴った。
ジャッジは3者とも29−28で憂流加が判定で勝利を収めた。
憂流加は試合後「世界にチャレンジしたい。(堀口)恭司君に王者になってほしい。戦いたい。勝つ自信はある」と次の目標を見据えた。
この日もうひとつ行われたウェルター級の環太平洋の王座決定戦では佐々木信治が小知和晋を2R4分24秒、セコンドからのタオル投入によるTKOで破り、第6代王者に就いた。打撃で劣勢に立たされた佐々木だったが、カウンターの左フック一発で小知和を沈めた。
広島を拠点とするシューターである佐々木は勝利に恵まれない時期が長く続き、一時は引退も考えたとあって、勝ち名乗りを受ける前から号泣。「地方の修斗が大好きな人に頑張ればやれるというところを見せたくてずっと頑張ってきた。ささやかな夢がひとつかなった」とリング上で挨拶する間も涙は止まらなかった。