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SPECIAL SELECT 旬な話題をリサーチ そしてすぐにニュース化 「瞬刊!リサーチNEWS」

 かつてニュースは新聞、テレビ、雑誌といった既成のメディアが独占していた。やがてインターネットの発達で、誰もがニュースを発信する道具を得ることになる。メディアに必要なものは取材力であり、専門性、分析力といったものが挙げられるが、それに加えて今では“スピード”が大きな部分を占めるようになった。
 今、旬の話題についての世論の動向と解説をリアルタイムで報じる「瞬刊!リサーチNEWS」というニュースサイトに注目が集まっている。昨年9月にスタートしたこのサイトをのぞくと「教員の退職金目当て早期退職 自分がその立場なら…調査結果」といった現在世間をにぎわす社会問題から「有名人との遭遇、70.9%が経験 東京は84.8%、2位は神奈川」といったほのぼのしたネタまでさまざまなニュースについてのリサーチ結果と解説記事が載っている。

 その仕組みは、会員数15万人の「Reaseach Pannel」のプラットフォームを使い、話題となっているニュースや出来事についてアンケートを行い、寄せられたコメントを引用しながら記事として配信するというもの。その質問はユーザーから寄せられたものを編集部で吟味し決定する。記事は一日に3本。毎日配信されている。

「編集者としてはライターさんが書いた原稿を主観が入っていないか、コメントの選び方も偏っていないかといったことをチェックします。そしてネットのトレンドに沿うような要素を入れたり見出しを工夫したりということをやっています」と語るのは同サイトの編集者でライターの宇佐美連三さん。

「Reaseach Pannel」では年齢、性別、住んでいる都道府県、既婚・未婚といった属性までカバーされている。21時間で約14万回答を得ることが可能で、最速では10分で1000回答を得ることもできるという。トップページの右側には「現在調査中」のニュースがあり、それをクリックするとアンケートに答えるサイトに飛び、答えることができる。

 普通のニュースは1日アンケートを取ってから記事化される。アンケートに答えて次の日に「どれどれ」とサイトをのぞくとその記事が読めるわけだ。

「僕たちの中では“超瞬刊”と呼んでいるものがあって、それはアンケートを始めてから30分後には記事を出すこともできます。昨年の自民党の総裁選で安倍さんが勝った時と阪神の金本選手が引退したときのニュースがそれにあたります」

 結果だけならリアルタイムで出せるサイトはあるが、ニュースとして加工して、となると30分は相当に早い。

「安倍総裁誕生の時はとても面白い結果が出たんです。Reaseach Pannelでは期待するは19.7%だったんですが、他の会員制ではないネットリサーチ媒体では60〜70%もあったんです」
 それはどういうことなんでしょう?

「同じようなリサーチでもサイトによって性質が違うんです。会員制ではないところははそのニュースを見て、答えたいと思った人、支持をアピールしたい人が答えている。Reaseach Pannelはそういう思想や信条関係なくみんながまんべんなく答えていると思うんです」

 アクティブなユーザーがあまりに多いと、若干偏った結果が出るとなると“世論”という観点ではやや信頼度に欠ける。一方、「瞬刊!リサーチNEWS」のほうはサイレント・マジョリティの意見を掘り起こすことになっているのではないだろうか。

 サイトのキャッチフレーズは「旬のデータを瞬なニュースに!」。みんながやりたくてもなかなかできなかったことが、ここでは行われている。