柔道女子15選手が声明文「指導体制の抜本的な見直し」求める
ロンドン五輪の代表を含む柔道女子の国内トップ選手15人が、園田隆二前代表監督やコーチから暴力やパワーハラスメントを受けたと告発した問題で、選手側代理人を務める辻口信良弁護士が4日、大阪市で記者会見。告発は代表チームの状況への「失望と怒りが原因」とする選手の声明を発表した上で、1日に辞任した園田前監督の交代だけで終わらせるのではなく、全日本柔道連盟(全柔連)の「指導体制の抜本的な見直し」を求めた。
辻口弁護士は「強化体制やその他連盟の組織体制の問題点が明らかにされないまま、ひとり前監督の責任という形をもって問題解決が図られることは、決して私たちの真意ではない」とする声明文を紹介した。
この問題で五輪時に強化委員長を務めた吉村和郎・強化担当理事(61)が5日、監督責任を取って理事を辞任した。日本オリンピック委員会(JOC)のナショナルコーチからも退いた。
戒告処分を受けながら1月末から欧州遠征に同行していた徳野和彦コーチ(38)も同日に緊急帰国し、暴力行為を認めて辞任。今回の問題での辞任は、園田前監督を含め3人となった。
またこの問題で、最初に告発文を受け取った日本オリンピック委員会(JOCの女性スポーツ専門部会(部会長=山口香JOC理事)は6日、一連の騒動は柔道だけでなく、スポーツ界全体の課題とし、選手側の意見の受け皿となる第三者機関の設置が必要とする見解を出した。
告発した15選手の氏名公表について、柔道元世界女王の山口理事は「選手が今後、不利益を受けない状況が担保されているとはいえず、現状では時期尚早だと思う」と否定的な考えを示した。