WBA世界フライ級戦 黒田 大差の判定負け
世界ボクシング協会(WBA)フライ級タイトルマッチ12回戦は27日、川崎市とどろきアリーナで行われ、挑戦者で同級9位の黒田雅之(川崎新田)はチャンピオンのフアンカルロス・レベコ(アルゼンチン)に0−3の判定で敗れた。レベコは3度目の防衛に成功した。
所属ジムの地元で臨んだ初の世界戦でベルトをつかむことはできなかった黒田。腫れ上がった顔に涙はなく、「自分にできることはやれた。まだ世界チャンピオンの器じゃないということ」と、さばさばと振り返った。
日本王座を守った最近2戦は消化不良の判定引き分け。さらに相手は2階級制覇の王者。不利の下馬評を覆すために陣営は「先に手を出す」ことをテーマに掲げ、確かに黒田は前に出て手数を繰り出して持ち味を出した。しかし、決定打には至らなかった。逆に一回り小柄な王者はジャブ、フック、ボディーブローと角度を変えた変幻自在の左を的確に当て続け、隙を見せなかった。
黒田は負けこそしたが、「意外とパンチも当たった。手が届かない距離じゃない」と世界との距離も思ったより近く感じたようで、敗戦をばねにまた一歩成長し、世界に再挑戦する覚悟を見せた。