ワンランクアップするための DIGITAL ITEM
自民党の教育再生実行本部が国内すべての大学の入学試験を受ける基準として、英語運用能力テスト「TOEFL(トーフル)」を活用する方針を固めたという報道が流れた。
いよいよ日本にも本格的に英語力が問われる時代がやってきたのか…。確かにサラリーマンの世界でも英語力はビジネスに大きな影響を及ぼす。しかし「英語が得意」とのたまうサラリーマンもいるにはいるが、一般の会話はまだしも、的確なビジネス文書を作成できるかというと、そこまで完璧に英語をマスターしている人は今のところそんなにはいない。
となると重要なビジネス文書などはどうしても翻訳者の力を借りなければならなくなる。
かといって翻訳の世界ってどんな感じなのかというと、これまたなじみがないもので、どこに頼めばいいのやら、そして相場はどれくらいのものなのか…、と思案を巡らす人も多いだろう。いざ発注して請求書が送られてきたときに、ぎょっ!!とする場面もあるかもしれない。
というわけで今週ご紹介するのが株式会社トランス・アジアが運営する『QwikTrans』(http://www.qwiktrans.com/)というサービス。
これはウェブ上で翻訳の見積もりと依頼ができるというもの。まずログイン後、翻訳言語を選び、テキストをアップロードする。ここで重要なのがワードテキストだけではなくエクセルやパワーポイント、さらにはPDFの文書でもOKということ。ここの部分はなかなか実現が難しかったそうだ。ワードに落として発注すればいいのでは?という疑問もあるのだが、どうやら最近のビジネスシーンではそういった時間も短縮することが望まれているようだ。そうして見積もりが出てくるのだが、納期を早めたり遅くしたりで価格も変わってくるのだという。
「翻訳の料金の設定は、例えば日本語を英語にする場合、翻訳した英語の単語数で算出する場合が多いんです。そうするとだらだら長く書かれると単語数が多くなる。でもそれは発注する側からするとちょっと納得がいかないですよね」と語るのは同社の東京オフィス統括部長の山元さん。
そういったあいまいさを排除し適正な価格と納期を算出するわけだ。
「コンサルタントや代理店の方など、土日かまわず依頼をしてくるビジネスパーソンが多かったんです。そして見積もりを出しても返事が返ってこない。時間だけが過ぎて納期を圧迫する。そういった無駄な部分をなくそうという意図もありました」
海外からの依頼の場合もそう。マンパワーだとどうしてもタイムラグが出てしまうのだ。
日本の商習慣だと、ここから値段交渉が始まって…というのが多くあるスタイル。日本は特殊技能に対するコスト意識が低くどうしてもそういう値切りの習慣が抜けきらない。しかし翻訳業界全般にいえることとして、翻訳は料金を値切れば値切るほど、それなりの翻訳になってしまうとのこと。社内だけの資料ならそれなりのものでもいいかもしれないが、外部に提出する企画書などはそういうわけにはいかないだろうから、基本的にはこういうことはあまりやらないほうがスマート。
「日本語は言い回しはもとより、文法も欧米の言語と比べてかなり特殊なだけに思っているよりお金がかかる」ということを上司に説明しよう。