業界人も通ってる!? ライブイベントで賢さをちょい足し part 2
分かりやすく楽しめる、クラシック音楽のコンサート『読響カレッジ』が話題だ。読売日本交響楽団がスタートさせた新しいスタイルのクラシック音楽のコンサートで、レクチャーと演奏を組み合わせたもの。仕事を終えてからでも、気軽にクラシック音楽を楽しめるのが好評だという。
とかく「とっつきにくい」「難しい」と思われがちなクラシック音楽を、事前にちょっとした知識や楽しく聴くためのポイントを頭に入れることで、もっと分かりやすく、もっと聴きやすく、何よりも楽しんでもらえるようにという思いの下で企画され、この4月にスタート。まだ初回を終えたばかりだが、クラシック音楽のビギナーを中心に多くの人が熱い視線を送っている。
年8回、文京区の文京シビックホールで行われる。各回ごとに設定されたテーマに沿って、作曲家とその楽曲を取り上げる。第1回目はベートーヴェンを取り上げた。「ドラマチック・ベートーヴェン」と題して、誰もが知っている『運命』を含め、3作品を聴いた。まず19時30分から音楽評論家の奥田佳道氏によるレクチャー。テキスト(500円)を傍らに、この日取り上げたベートーヴェンについて、そして演奏曲について解説。大枠はもちろんだが、いくつもの楽章があるようなボリュームのある作品については、作品全体の展開の仕方や、楽章ごとの関係性、さらには楽曲を構成している和音といった細部にまで触れ、その楽曲を楽しく聴くためのポイントを示してくれる。情報やヒントがたっぷりのトークで、20分のレクチャータイムもあっという間だ。
20時になると、いよいよ、演奏がスタート。レクチャーの内容を踏まえつつ、読響メンバーによる演奏を聴く。初めて聴く曲はもちろん、これまでに何度も耳にしてきた名曲も、より深く、そして新鮮に感じられ、視界がぱっと広がってくるような感覚を味わえる。
“分かって楽しむ”、分かるからこそもっと楽しい。この感覚が、クラシック音楽への敷居をぐっと下げてくれるうえに、もっと知りたいという好奇心を刺激する。
演奏は20時、レクチャーも19時30分とゆっくりめのスタート。忙しい人でも、どうにか仕事を片付けて間に合いそうな時間だ。遅れた場合にも、レクチャー中は自分のタイミングで会場に入れるので安心だ。また、演奏時間も約1時間と一般的なクラシックコンサートと比べるとコンパクトで、料金もリーズナブル。全8回だが、気になるプログラムだけ受講もできるので、気楽に参加できそうだ。
クラシック音楽に興味がある人はもちろん、クラシック初心者をコンサートに連れて行きたいという場合にもオススメ。クラシックをちょっとだけ分かって聴く。わずかな変化が、いつもの毎日を変えてくれそうだ。あなたも一歩を踏み出してみては?
『読響カレッジ』でピックアップする作曲家や作品は、クラシック音楽をそれほど知らなくても知っている、教科書に出てくるような名前ばかり。5月31日に行われる第2回目で取り上げるのは、19世紀にに活躍したイタリアの作曲家・ヴェルディとドイツの作曲家ワーグナー。ともにオペラの名曲を多数残している。この日は、新国立劇場の次期オペラ芸術監督の飯守泰次郎氏の指揮で、ヴェルディの歌劇「アイーダ」から凱旋行進曲や、ワーグナーの歌劇「タンホイザー」序曲などを聴く。料金は、1回S席4000円、A席3000円。申し込みは、読響チケットセンター0570-00-4390。もしくは、読響公式サイト(http://yomikyo.or.jp/)から。
【今後の日程】
5月31日 (金) ヴェルディ vs ワーグナー
7月26日 (金) 神に愛されしアマデウス、奇蹟の調べを(モーツァルト)
9月20日 (金) 芳醇なるブラームスの世界
10月18日 (金) 魔境を奏でる管弦楽の鬼才(ベルリオーズ)
11月15日 (金) チャイコフスキーの運命!
2014年
1月30日 (木) ボヘミアの森から新世界へ(ドヴォルザーク)
3月 7日 (金) オーケストラ芸術の枠 ラヴェルのボレロ