三浦雄一郎さん会見 成功の鍵は「年寄り半日仕事」
5月23日に世界最高峰エベレストに登頂を果たした、冒険家の三浦雄一郎さんが29日帰国、同日、自身が校長を務めるクラーク記念国際高等学校の東京キャンパスで会見した。登頂時、雄一郎さんは80歳と224日で、世界最高齢登頂記録を樹立した。
会見では、登頂の成功の鍵となったのは「年寄り半日仕事」と説明。朝起きて昼過ぎまで登り、休息をたっぷりとるスケジュールで進めたことが大きかったとした。また、食事にも気を使っていたそうで、手作りの寿司酢でうにの手巻き寿司をしたり、8500メートルのキャンプで抹茶で茶会を開いたエピソードも紹介。次男で一緒に登った豪太さんは事前に茶道具は無駄な荷物と考えていたことを吐露したが、実際に抹茶を立てたところ「そこだけ温かい雰囲気になった。余裕が生まれた」とし、成功へのドライブとなったようだ。
とはいえ、登山そのものは厳しいものだったよう。登頂成功時には元気な声を聞かせてくれた雄一郎さんだったが、その後、下山を始めた時に「足がぐにゃぐにゃ、ゴムのように感じて力が入らなくなってしまった」そう。豪太さんやスタッフの協力を得て、「やっと8500メートルまで下りてきた。この場所にキャンプをはっていなかったら帰ってこれなかったかもしれない」と、語った。
質疑応答では、75歳の男性が「三浦さんに苦情を言いにきました。(80歳超でのエベレスト登頂に成功した)三浦さんができたのに、なぜ自分たちはできないんだと言われてしまう」とユーモアたっぷりに前置きし、シニア層はどうするべきかと質問。それに対して三浦さんは、「とにかく外に出ることだと思います。温泉でも、旅でも」と、アドバイスした。
今後の目標については、「スキーでの滑降。親子で滑ってみたいな」と話し、ともに登頂した豪太さんと会見の司会を務めていた長女の恵美里さんを苦笑いさせていた。