観客もステージに! ミュージカル『HAIR』は自由だ!
伝説のブロードウエイミュージカル『HAIR(ヘアー)』が日本初上陸、29日に渋谷・東急シアターオーブで幕を明けた。ラブ&ピースとフリーダム、そして彼らなりの祖国への愛が詰まったステージにオーディエンスは熱狂、最後にはキャストに促されるままにステージに上がり、ダンス。ピースでラブで、フリーな世界観を共有した。
冒頭、この作品から生まれたヒット曲のひとつ『アクエリアス』に耳を傾けたのもつかの間、すぐにこの作品の魅力を感じられる場面がやってきた。キャストが客席に降りて歌い踊ったかと思えば、コール・アンド・レスポンスを要求。さらには、観客とのユーモラスなやり取りを重ね......。これぞ、自由。言い換えるなら、やりたい放題。客席にはたまらずといったふうに笑い声がこぼれた。
髪を振り乱しながらのエネルギッシュなパフォーマンスに、ちょっとエッチな演出、ハッピーなムードに満ちている。しかしその一方で、徴兵、ベトナム戦争、それを踏まえてのドキリとさせられるシーンなど重みのある作品だ。しかしその部分に焦点が当たるころまでに『HAIR』の世界にどっぷりと浸かることができさえすれば、初見であっても字幕を追わなくても最後まで作品の魅力を楽しめそうだ。
圧巻のラストは、ラブ&ピースにあふれたもの。観客が次々にステージに上がっていき、キャストと観客みなが手を取り合って歌い踊る大団円。客席の人もどんどん立ち上がって大合唱になった。さらに、字幕に「ただいまから写真撮影可能です」のメッセージも流れ、そこも含めて、既存のミュージカル作品とは一味違った、フリーダムでやりたい放題のミュージカルだった。
6月9日まで同所で。詳細は公式ウェブサイト(http://www.hairmusical.jp/)で。