石塚英彦×田中裕二 再登板でホッ? 映画『モンスターズ・ユニバーシティ』
2002に公開されたディズニー/ピクサーの大ヒット映画『モンスターズ・インク』から11年。前作でもボイスキャストを務めた石塚英彦(ホンジャマカ)&田中裕二(爆笑問題)が、学生時代のサリーとマイクとして、再びコンビ結成!
マイク&サリーは2人にとっても特別な存在
世界中のファンが待ち望んでいた続編『モンスターズ・ユニバーシティ』がいよいよ公開。なかでも、このコンビの復活を待ち望んでいたのが、前作のボイスキャストを務めたこの2人。心優しい巨体のモンスター・サリー役石塚英彦、小さいけれど元気いっぱいなモンスター・マイク役田中裕二。“イメージもルックスもキャラクターにぴったり!”と当時から大好評で、2人にとっても愛着のあるキャラクターだったのだが、なかなかオファーの連絡が無く、ヤキモキしていたという。
石塚英彦(以下:石)「また僕らがやるって分かったときは、すごくうれしかったよね」
田中裕二(以下:田)「3年ほど前に続編があるらしいというニュースが流れたけど、特に連絡も無くて」
石「通常は事務所の人に情報が入ってそれを僕らが知るという感じなんだけど、僕はそれを田中君から聞いたという(笑)」
田「で、それから1年ほど経って映画は公開されるらしいのに、やっぱり特に連絡が無くて、いよいよ“僕ら、干されたのかもしれない!”って思っていたんですよね(笑)」
石「まあ、似たようなデブは他にもいるし…(笑)。今回は違う人がやるのかな、とね」
田「そんなところへ今回の話が来たから、正直ほっとしましたよね」
石「僕らとしても愛していたキャラクターなので、他の人には譲りたくない気持ちがあったんですよね」
田「そうですね。僕なんか、丸いもので、さらに真ん中に黒い丸があったりすると、マイクに見えますからね(笑)。世の中、けっこうマイクで溢れているんですよ。マンホールを見ても“あ、マイクに似てるな”と思うし。あと、昔の体重計でマイクそっくりのものがあるんですよ。メモリの部分が歯みたいに見えて本当にソックリなの」
石「それはレベル5まで来ちゃってるね(笑)」
田「あと最近、緑っぽくなってきたかな(笑)」
石「ははは(笑)。僕は、仕事などで少し落ち込んだりしたときに、サリーだったらこうするだろうなとか、サリーに置き換えて考えてみたりすることがあるんです。サリーだったらここは突っ走るだろう、とかね。そんなふうに、ちょっとした心の支えみたいになっていますね。あと、街で小さなお子さんのいるお母さんとかから、『モンスターズ〜』のDVDを渡されてサイン書いてくださいとお願いされたりすると、普通は“石塚英彦 まいう〜”って書くんですけど、『モンスターズ〜』でお願いされたときは“サリー”って書くことにしてるんです。ディズニーさんには何も断ってないんだけど…(笑)」
田「子供たちは喜ぶよね(笑)。その場合 “石塚英彦”は書かないの?」
石「それは横にササっと、お母さん用に書きます(笑)」
青春時代の役作りはマイクらしく、サリーらしく
本作で描かれるのは、モンスターの世界でも名の知られた“怖がらせ屋”コンビ・サリーとマイクの学生時代。知られざるモンスターのキャンパスライフを舞台に、名コンビ誕生秘話が明かされるのだ。
田「今回、年齢が若いということで声を高くするということも考えたんですけど、もともとマイクは高い声なので、さらに高くするのもどうかなと思い、そこは開き直ってマイクらしく演じましたね」
石「僕は、ほんの気持ちだけ高くしようと心がけたんですけど…効果が出ているかどうか(笑)。やりすぎるとサリーじゃなくなっちゃうし、オリジナルでサリーの声を演じているジョン・グッドマンさんも、前作より高い声というわけではなかったし。気持ちとしては若いサリーのつもりです(笑)」
田「マイクは、頑張り屋で根性があって、小さいくせに威張るとか(笑)、ちょっと生意気なところもあるキャラクターなんですけど、今回は特に、努力家で負けず嫌いな性格がとてもよく表れていますよね」
石「今回僕は最初、あまりサリーのことが好きになれなかったんですよ。前作のサリーは、それほど多くを語らず仕事をきっちりやるタイプのモンスターに見えたんですけど、今回は、怖がらせ屋のエリートの家系であることにおごっていて、自分は他の学生とは違うんだぜ、という高飛車な感じなんですよね。後半に行くにつれて、マイクや他の仲間とともに奮闘して、どんどん僕の愛せるサリーに成長していくんですけどね」
イメージぴったりと言われる2人。
田「正直、自分と照らし合わせてみると、僕とはあまり似てないかなという気がします。しゃべるトーンとか、ツッコミ役だったり仕切っていくところなどは近いと思うんだけど、僕はマイクみたいな負けず嫌いで努力家ではないですね(笑)」
石「サリーって少し臆病なところがあるんですけど、ちょっとした物音で驚いたりとか、そこは僕と似ているかなと思います。グルメロケでよく地方のホテルに泊まったりするんですけど、ちょっとした物音でびくっとしたりするんですよね(笑)」
11年を経た“進化”に2人もビックリ
田「今回、世界最高峰のCGアニメ技術にも注目してもらいたいですね。ただのアニメじゃないんです。アニメの芝居の細かさは、これまでの作品と比べてもダントツにスゴイんですよ。」
石「10年以上の歳月でここまで進化したのかと、驚きましたもんね」
田「実写なのかと思う…というか、実写よりリアルに伝わってくるんですよ。キャラクターたちのあの芝居には、どんな俳優も勝てませんね」
石「いい顔するんだよね」
田「動きとか表情とか、人間の俳優ではできないくらい上手い!」
石「サリーはまだ人間に近い顔の作りだけどマイクときたら、よくあの作りで、いろいろな表情を作るもんだと思いますよ(笑)」
田「目が1つと口だけなんだけど、まぶたの使い方、角度、目の開き方、眼球の位置、口の大きさや形…もう表現が無限なんです。だから、キャラクターの表情を追っていくだけで、感情の動きや物語の流れが伝わるんだよね」
石「先日、アメリカで字幕も無しに英語版を鑑賞したんですけど、皮肉を言ってるな、とか分かるんだよね。こんなふうに…って、僕は全然できていないけど(笑)」
サリーとマイクの名コンビ誕生秘話も、物語の大きな見どころだ。
田「僕も2人の友情が描かれるシーンに、すごく共感しましたね。最初、犬猿の仲だったサリーとマイクが、現状を打破すべく共闘するうちに成長し信頼し合っていくんですけど、その信頼が揺らぐ事件が起こってしまう。それを乗り越えた先に『モンスターズ・インク』のあのコンビの誕生につながっていくんですよね。モンスターの話ではありますけど、どんな人も共感できると思います」
石「友達同士ずっと仲良くやっていけるケースもありますけどね。途中ですごく嫌いになっちゃっても、何かをきっかけに再会したら前に仲が良かったときより、ずっと結束が強くなったりすることもあると思うんです。今回も、サリーとマイクをはじめにダメダメモンスターとチームを組んで、ある大会に出場するんですけど、ダメダメでも結束して頑張ればすごい力を発揮することもあるんです。安い食材を集めて一流料亭の味に勝っちゃったりね」
田「食べ物に例えると一番分かりやすいね(笑)」
石「今の日本に一番必要な作品なんじゃないかな。みんなで力を合わせて頑張らなきゃいけないときだから、きっと勇気をもらえると思う」
そんな2人が互いに寄せる信頼もモンスターたちに負けていない。
石「僕らはすごく古い知り合いなんですよね。最初に知り合ったのって…」
田「25年前だね」
石「そのころの爆笑問題って今と全然違っていたよね。まず太田くんがあんなにしゃべらなかったし。どちらかというと田中くんが社交的でいろいろなことを話す感じだったけど、今じゃ太田くんはテレビ局のスタッフが止めてもしゃべり続ける感じでしょ(笑)。でもそれを、田中くんがすごくいい感じでバランスをとってる。任せられるなというところでは泳がせて、そろそろネタがないというサインを読み取ると止めに入って。あのしゃべりの勢いを止めたり促したりできるのって、田中くんだけだろうね。まさに“モンスターを扱えるモンスター”って感じだよね」
田「そんな石塚くんの、誰からも愛されるキャラクターこそ本当にすごいと思う。多くの人に愛されるって、この仕事をしていて何よりも大切な事だからね。食べているだけで人を幸せにするって、ものすごいことですよね(笑)。いろいろなグルメリポーターがいろいろな表現をしますけど、基本的に“まいう〜”しか言わないですからね(笑)。いや、本当はいろいろ表現しているは知ってるけど(笑)。食べ方と笑顔で日本中の人に愛されるというのは、もう何をやっても敵わないと思う。小細工なし。まさにモンスター級ですよ」
お笑い界の愛されモンスター2人の名コンビが、前作以上に感動と興奮の冒険を繰り広げる!
(本紙・秋吉布由子)
あの名作『モンスターズ・インク』から生まれた超人気キャラクター、マイク&サリーが、どのようにして出会い、モンスター界きっての“怖がらせ屋”コンビとなったのか。モンスターたちの愉快なキャンパスライフを背景に、大学時代の2人が夢に向かって成長していく姿を笑いと感動満載で描く、世代を超えておすすめの一本!
監督:ダン・スキャンロン 日本語吹き替え版 声の出演:石塚英彦、田中裕二他/1時間51分/ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン配給/7月6日(土)より全国公開 2D/3D
http://www.disney.co.jp/monsters-university/http://www.disney.co.jp/monsters-university/