7.21参議院議員選挙投開票
第23回参議院議員選挙は7月4日に公示され、21日に投開票される。昨年12月に発足以来、「アベノミクス」を始めとした積極的な政策で経済を上向かせた安倍晋三首相率いる自民党が勝って「ねじれ国会」を解消するのかに焦点が集まっている。
また今回の選挙では初めてインターネットによる選挙運動が解禁になった。
知っていそうでいまいち知らない。人に聞くのはちょっと恥ずかしい…そんなキーワードをTOKYO HEADLINEが解説!
ねじれ国会
ここ数年の日本の政治を停滞させてきた原因に「ねじれ国会」の問題がある。これは衆議院で過半数を持ち、政権を担う与党が参議院では野党に過半数の議席を許してしまっている状態。
何が問題かといえば、衆議院で可決した法案が参議院で否決されてしまい、なかなか法案が通らないということ。予算案などは一定日数のうちに参議院が議決しなければ“衆議院の優越”で議決することができるのだが、法案の場合は参議院が否決した場合、これを成立させるためには、衆議院で3分の2以上の特別多数で再可決する必要がある。これは“衆議院の再議決”というのだが、また参議院が議決しない場合、衆議院可決から60日間が経過しなければ、参議院が否決したとみなすことはできないため、国会の会期切れで廃案になってしまう場合もある。
アベノミクス
昨年12月に誕生した第二次安倍政権の最大の目玉ともいえる経済政策。
その中身は「三本の矢」といわれる「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」の3つの基本方針からなる。
安倍晋三首相は就任の会見で「経済再生の司令塔として日本経済再生本部を創設し、経済財政諮問会議も再起動する。大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の3本の矢で結果を出す」と語った。
アベノミクスによりデフレマインドを一掃し、「日本経済再生に向けた緊急経済対策」として、本格的大型補正予算、及び平成 25 年度予算を成立させた。
その結果、衆院解散を表明した昨年11月14日に8664円だった終値は5月、1万5000円台を回復した。現在は1万3000円代で安定している。
経団連が発表した夏のボーナスの第1回集計は、大手企業64社の平均妥結額は前年同期比7.37%増の84万6376円で、5年ぶりに80万円を超えた。バブル期の平成2年に次ぐ、過去2番目の伸び率だ。
インターネット選挙
今回の参議院選挙からインターネットを使った選挙運動が解禁される。
各党ともネット戦略に力を入れているのだが、中でも自民党が一歩先んじているようだ。6月26日、自民党本部でネット戦略発表会見が行われ、スマートフォン向けの公式アプリとして、自民党の最新情報を提供する「自民NEWS」と安倍晋三首相(自民党総裁)の「ゆるキャラ」がジャンプを繰り返すゲーム「あべぴょん」が発表された。
前者は自民党の「今」を集約したアプリで、街頭演説や政策に関する最新情報をチェックできる。選挙ポスターなどに掲載されている自民党のロゴに端末をかざすと特別なCM動画が再生されるという。
後者は参院選で若者に自民党の政策や活動などを訴求するために開発されたアプリで、「あべちゃん」が空を舞うジャンピングゲーム。一定のポイントを獲得すると党の紹介などが見られ、楽しみながら自民党を知ることができるというもの。
自民党はこの他にも「自民党 電子パンフレット」「自民党 生声チャネル」といったアプリも順次リリース。
当初はホームページでの政策のアピール、ツイッターやフェイスブックでの有権者との生の触れ合いといったものが予想されていたのだが、政党のほうが有権者よりずいぶん先を走っている印象だ。
外交問題
民主党政権で冷え切った日米同盟は、自民党政権になって急速にかつての関係性を取り戻した。かといって中国、韓国といった近隣諸国との友好協力関係がないがしろにされていいわけもなく、グローバルな視点での外交戦略が望まれる。
今、日本はさまざまな外交問題を抱えている。しかしわずかではあるが好転の兆しがある。
例えば北方領土問題では、安倍首相の特使として2月に訪露した森喜朗元首相とロシアのプーチン大統領の会談が地ならしとなり、4、6月と安倍首相とプーチン大統領の会談が実現した。尖閣諸島問題では中国船がまだ領海侵犯はしているものの、以前のような“実力行使”は鳴りを潜めている。
そして北朝鮮による拉致問題の完全解決と核・ミサイル問題の早期解決というのは日本にとっては永遠のテーマ。
これだけの外交問題をクリアできるのはどこの政党なのだろうか。
東京都議選
参議院選挙に先駆け、6月16日に投開票された東京都議選。自民党が59人立候補し全員当選。公明党も23人立候補し全員当選のパーフェクト勝利。民主党は43人から15人へと記録的な大敗。日本維新の会も橋下徹共同代表の従軍慰安婦をめぐる発言で逆風が吹き3人から2人に議席を減らした。そのなかで躍進したのが共産党とみんなの党。なかでも共産党は改選前の8人から議案提出権のある11議席をも超え、17人へ大きく議席を増やした。民主党への失望や維新の会へのアレルギーを持つ有権者の受け皿となった格好。今や野党の中で自民党に対抗できるのは共産党だけ!?
気になる東京選挙区は…
現職は武見敬三氏(自民党)、丸川珠代氏(自民党)、山口那津男氏(公明党)、鈴木寛氏(民主党)、大河原雅子氏(民主党)、の5人。
この現職の5人は今回も立候補する。先の東京都議選の結果からすると、自公の圧勝ムードなのだが、再選を目指す丸川の陣営が「安泰と思われたら大変」と引き締めを図れば、選挙区初挑戦の武見陣営は「出遅れが痛い。知名度を高めなければ」と懸命。公明の山口氏は支持層が強固なだけに盤石か。民主は直前になって鈴木氏に一本化した。