二十歳の視点 vol12 「ハタチ × ノマドブーム」

 ある20歳の大学生(親がフリーランスで都内大学に通う)にこのアンケート結果についてを感想を聞いたところ、問1については従来型の雇用体系に縛られずに働くことを知ってはいても、記号としての「ノマド」に結びつかなかったのではないかと話していた。また、問2については、最近はフェイスブック上に新卒採用ページを設ける企業もあり、もっとSNSを戦略的に使ってもいいのではないか、とも。これはあくまで都市伝説レベルの話だが、採用のときに企業側がエントリー者の人となりを確かめるために、その人のフェイスブックページも見るということも就活生の間で噂されているらしい。ちなみに彼女の回答は【問1】Yes、【問2】Yes、【問3】No、【問4】No、【問5】Yesだった。


 今回の結果から、20歳の大学生の特徴として「独立志向が高い」ことが読み取れた。最初は割合的には少ないと想定していた独立志向だったが、実は3分の1近くもいた。そして、独立の選択肢でも起業を目指す学生が多く、ノマドは超少数派になった。問1・3・4ですべてYesと答えた人はわずか2人しかおらず、問1・3としても2人増えて4人となるだけだ。情報化によって便利なツールは増えたが、「可能性」ばかりに目移りしてしまって、かえって視野が狭くなっているのではないかと感じる。結局のところ、これからノマドが職業としてありつづけるのか、少し疑問が残ったので、タイトルにもあえて「ブーム」を付けた。ノマドワーカーたちは「誰にでもできます」と甘いささやきをかけてくるが、問1の回答が物語っているように、実は今の学生たちには届いていないのだ。

(学生インターン・川合健悟)