KEYWORD 2013.7.5〜2013.7.18
ビッグデータ
国内の企業が活用した個人の購入履歴などの膨大なデータを指す言葉。これらの情報を最大限利用できた場合、年間7兆7000億円に達するという試算が16日、総務省が公表した平成25年版「情報通信白書」で明らかになった。また小売業では販売促進や発注の最適化などで年間約1兆1500億円、渋滞予測による燃料費削減などでは約1兆4300億円の効果があると見込まれている。
影の銀行(シャドーバンキング)
政府の監督の目が届きにくいところで、金融商品を作り、お金を集め、民間企業などに貸す仕組み。麻生財務相は16日、中国での不透明な金融取引「影の銀行(シャドーバンキング)」問題について触れ、「(中国当局も含め)誰も実態は把握できていない状況が不安心理をあおっている」と警戒感を示した。さらに債務不履行が相次ぐなどの金融不安を懸念。先日の米中戦略・経済対話では、中国は事態の沈静化を強調していたが、米国は改革の継続を要請している。
被後見人選挙権訴訟
成年後見人が付くと選挙権を失うとした旧公職選挙法の規定をめぐる訴訟。17日、1審で敗訴した国が、被後見人の女性に選挙権があると確認する内容で原告側と和解した。訴訟では3月、1審東京地裁が「成年被後見人も主権者たる国民で、選挙権を一律に剥奪する規定を設けることは許容できない」として規定を「違憲」と判断。規定を削除した改正法が今月21日投開票の参院選から適用されたが、国側は「不正投票を防止するため、規定には合理性があった」との主張を維持、控訴を取り下げていなかった。
アレクサンドル・リトビネンコ
2006年前にロンドンで何者かに毒殺されたロシア連邦保安局(FSB)元幹部。リトビネンコ氏の暗殺に、ロシア政府が関与しているか否かを調査する死因審問が再開される予定だったのだが、12日の予備審問開廷の45分前に英政府が出廷拒否を突然通告。ロシアの国家的関与の有無が最大の焦点となっている審問だけに、ロシアとの関係改善に積極的に動いている英国のキャメロン政権の高度な政治判断が働いたものとみられている。
東証・大証統合
日本取引所グループ(JPX)は16日、傘下の大阪証券取引所の現物株市場を東京証券取引所に統合した。東証の上場企業数はこれまでの約1.5倍の3423社に膨らみ、世界3位に浮上。来年3月にはデリバティブ(金融派生商品)市場を大証に集約、両市場の商品力を強化して国際競争力を高める。
もっとも世界3位となった上場企業数は、必ずしも取引所の力量を示すとはいえず、取引所の規模を比べる際に一般的な上場企業の時価総額の合計でみると、東証は、世界最大のNYSEユーロネクスト傘下のニューヨーク証券取引所の4分の1程度。大証のデリバティブ取引も世界17位にとどまっている。
ホットライン
2カ国の首脳が緊急時に連絡が取れるように設けられている電話回線の名称。米中は第5回戦略・経済対話が11日閉幕したことを受けて、翌12日にオバマ大統領と習近平国家主席の特別代表との間にホットラインを開設するなどの合意文章を発表した。