中村福助が来年、大名跡「中村歌右衛門」を襲名

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 松竹は来年、9代目中村福助が女形の大名跡7代目中村歌右衛門を襲名することを発表。同時に10代目中村福助を襲名する中村児太郎とともに4日、都内の会場で会見を行った。中村歌右衛門は、江戸中期に活躍した初代以来続く大名跡。加えて、5代目、6代目は女形の最高峰と呼ばれ、成駒屋の芸脈を作ってきたといっても過言ではない。中村勘三郎、市川團十郎が相次いで亡くなるなど、暗いニュースが多かった歌舞伎界にとっては、久しぶりのおめでたいニュースとなった。
 福助は「6代目の叔父に憧れ、目標にしてきたので(襲名を聞いたとき)夢だと思った。ただただ身の引き締まる思い。名前に追いつけるように頑張るのみです」と語り、児太郎も「生まれた時から父が背負っていた名前ですし、成駒屋が大切にしている名前なので、それに恥じないように精進する。未熟ですが一生懸命舞台をつとめたい」と、親子そろって、その名前の大きさを改めて実感した様子。また、昨年亡くなった勘三郎の話になると福助は、「勘三郎、歌右衛門と名前が並んでいるところを見たかった。勘三郎兄さんも天国で見守ってくれていると思う。兄さんには襲名の相談をしたかったけど、それも出来ず逝ってしまったので、とても残念です」と寂しそうに語った。
 新歌舞伎座会場初の襲名興行は東京・歌舞伎座(4月)、福岡・博多座(6月)、大阪・松竹座(7月)、京都・南座(12月)で行われ、再来年には各地方で行われる。